2013年2月12日火曜日

レーザー照射事件:世論で優勢に立つ日本:異例の報道発表の意図を探る中国


●8日、中国の軍艦が射撃管制用レーダーで海上自衛隊の護衛艦をロックオンしたとされる事件で、中国国防部は使用したのは監視用レーダーであると主張している。これについて、上海社会科学院の研究者がコメントをした。写真は海上自衛隊の護衛艦。



サーチナニュース 2013/02/12(火) 09:04
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0212&f=national_0212_003.shtml

日本の自作自演の茶番劇だ…レーダー照射問題=中国メディア

  小野寺五典防衛相は5日、中国の軍艦が1月19日と1月30日に東シナ海で海上自衛隊の艦艇と対峙した際に、ミサイル発射に用いるレーダーにより日本の艦艇・艦載ヘリを照射したと述べた。
 中国国内の軍事マニアは小野寺防衛相の言葉に高い関心を示している。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

**********

  敵対的な尾行および航行妨害を行う相手側の艦艇に対して、海軍艦艇が警告を行うことは国際的な慣例である。

  一般的に、A側の艦艇がB側の艦艇の航行に実質的な脅威を与えた場合、もしくはその安全に深刻な影響を及した場合、B側の艦艇は無線連絡により相手国に対して間違った行動をとらないよう口頭の警告を行う。
 口頭の警告に効果がなかった場合、B側の艦艇は艦砲を向けることにより、A側の艦艇の措置に対して警告を行う。

  当然ながら、火器管制レーダー照射により、A側の艦艇の措置に対して警告を行うことも可能だ。
 最後に、B側の艦艇は艦砲による威嚇射撃により、警告を行うことが可能だ。

  このような事件には先例がある。
 2002年11月、北朝鮮の海軍巡視船がペンニョン島の北3.5カイリで、北方警戒線を1.5カイリほど越境した。
 韓国海軍の5隻の海軍艦艇が出動し、うち1隻の韓国艦艇が2度にわたって威嚇射撃を行った。
 北朝鮮の巡視船は反撃せず、Uターンして撤退したのだった。

  日本と中国の今回の事件において、日本側は双方の艦艇の距離がわずか3キロに接近したと称した。
 これは対艦ミサイルの近距離射撃を行うため限界とされる距離を大きく下回っており、対艦ミサイルの発射は想像しがたい。

 日本側は、中国側が対艦ミサイルの火器管制レーダーにより照射を行ったとしたが、これは日本側に良からぬ了見があるのではないかと疑わざるを得ない。
 これはまた、中国艦のレーダー信号に関する日本側のデータ不足を反映している可能性がある。
 これにより、中国艦の行動に対する日本側の判断ミス、もしくは判断の遅れが生じる可能性がある。

  海上自衛隊の「盗人が他人を盗人呼ばわりする」茶番は、これが初めてのことではない。
 2010年4月、日本側は中国海軍の駆逐艦の速射砲が、中国の艦隊を尾行していた日本のP-3C哨戒機に照準を合わせたと称した。

  しかし実際には、日本のP-3Cはいわゆる「防空識別圏」を目標確認の口実とし、中国艦に対して超低空尾行および挑発を行っている。
 中国側も必要な措置を講じ、これに対して警告を行わざるをえない。

  日本側は今回の「レーダー照射」事件で、当時の日中間に摩擦が生じていたという背景を発表せず、また当時の双方の艦艇の航行に関する情報を提供しなかった。
 これはあたかも、当時の日本の理不尽さを故意に隠しているかのようだ。

  しかしながら、日本側は断固否定するか、理非曲直をわざと曖昧(あいまい)にし、逆に中国を非難し、中国海軍の艦艇が「極めて珍しい行動」をとったと称した。
 これは完全に日本の自作自演の茶番であり、その裏側には尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題をヒートアップさせ、安倍首相の訪米前の下準備をしようとする日本の意図が隠されている。

  日本はまた国際社会において、「いじめられている」ふりをしようとしている。
 このような「理不尽でも三分の理を求める」という外交戦術は、まさに典型的な「日本の右傾化した政治」であり、日本の中国に対する欺瞞(ぎまん)に満ちた外交的常套手段である。
 これに対して中国は警戒心を高め続ける必要がある。


 いろいろ中国も大変である。
 今回の事件で明白になったのは、
 「共産党と解放軍の疎通が計られていない」
ということが、陽の目をみてしまったことだ。
 これまで、共産党は解放軍は共産党の命令に従え、と幾度となく警告してきた。
 メデイアでも2,3度発信している。
 今回、その内実が鮮やかにメデイアに載ってしまったことは中国としては大きなミスだろう。
 それを隠す、あるいは焦点を外すために、「デッチあげ説」を声高に叫ぶのであろうが、こういうものは叫べば叫ぶほど、
 やっぱり「何かあったな」という疑惑を増幅
させてしまうことになる。
 否定すれば否定するするほど疑惑が高まる
というのは、見慣れた風景だが、それ含めて操作できるようにならないと世論のコントロールはうまくいかない。


レコードチャイナ 配信日時:2013年2月12日 11時2分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69336&type=0

<レーダー事件>
世論で優勢に立つ日本、異例の報道発表の意図を探る中国―香港メディア

 2013年2月8日、中国の軍艦が射撃管制用レーダーで海上自衛隊の護衛艦をロックオンしたとされる事件で、
 中国国防部は使用したのは監視用レーダーであると主張している。
 これについて、上海社会科学院の研究者がコメントをした。

 上海社会科学院の劉鳴(リウ・ミン)研究員はBBC中国語に対し、
①.中国は射撃管制用レーダーの使用を認めるか否かで各方面の調整を図る必要があり、
②.内部でも異なる意見が存在するために反応が出遅れた
とコメントした。

 劉氏によると、これまでも米国や日本の艦艇と中国の艦艇は海上でたびたび監視し合っていたが、情報の管理という点から暗黙の了解としてメディアには公表されていなかった。
 また、今回日本が事件から6日後にメディアに公表したことには何らかの意図があるとして、
 「中国にとって、日本が先例を破ってメディアに公表したことにどう対応するべきかを理解する必要があり、これも公式な反応が遅れた理由となった」 
と述べた。

 また、
 「相手側の軍艦や航空機が異常接近した場合は警告を発することがあり、
 火器管制レーダーも警告の一種として、過去に同様の事態が起きた。
 今回日本がそれを中国の挑発であり、国連憲章に違反していると主張しているのは、政治的目的があってのことだ」
と語っている。

 劉鳴氏は
 「中国は、自国が先に国際法に違反したことを認めようとはしない。
 中国が火器管制レーダーで目標をロックオンしていたと言うなら、事件における具体的状況を日本は明らかにする必要がある。
 しかし、日本も中国も発表を望んでいないため、はっきりとした物言いができずにいる。
 双方は結果の出ない裁判を戦うしかないが、世論で優勢に立っているのは日本である」
とコメントした。
』 

 この記事によれば、
 過去にも「火器管制用レーダー」ロックオンは起こっている
としている。
 つまり、中国はこれまで度々、この「火器管制用レーダー」ロックオンを実行していたということを認める形になってしまっている
 しかし、これまでその事実は公開されなかった。
 今回、それを公開したということは、日本側にウラになんらかの意図があるということになる。
 そこで、具体的な状況を明らかにすべきだと主張している。
 上の記事は「茶番劇」だとしているが、
 下の記事は「事実だが具体的状況を明示すべし」としている。
 明示することによって、中国は軍事秘密の幾つかを知り得ることに期待をいだいているのであろうか。
 それとも別の思惑があるのであろうか。


サーチナニュース 2013/02/12(火) 10:00
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0212&f=national_0212_006.shtml

【中国BBS】公開してみろ…レーダー照射を巡って証拠提出は?
  中国大手検索サイト百度の掲示板に
 「日本はなぜ中国によるレーダー照射の証拠を公開しないのか」
というスレッドが立てられた。
 スレ主の疑問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

**********

  中国艦艇が日本護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題について、
 中国側は「日本によるねつ造」と主張し、照射の事実を否定している。
 レーダー照射については、米国務省のヌランド報道官は11日の記者会見で、
 「実際にあったようだと確信している」
と述べ、日本を支持する姿勢を示した。

  小野寺防衛相は証拠を公開する可能性を示唆しつつも、
 「各種証拠を公開したとしても、中国が承認しなければ日本の国家利益にはならない」
と発言。
 今後の中国側の態度を観察して証拠を公開するかどうか決定する姿勢を示した。

  スレ主は小野寺防衛相の発言に対し、
 「なぜさっさと公開しないのか」
と質問したところ、次のようなコメントが寄せられた。

●・「スレ主は中国が照射したとなぜ分かる? 
 中国政府が照射していないと言ったらしていないのだ」
●・「なぜならわれわれはレーダー照射などしていないからだ」
●・「中国は照射などしていない。
 ただ中国に圧力を加えるために言っているだけだ」

  このように、中国政府が射撃用管制レーダー照射を否定しているため、中国政府の主張を信じこむユーザーが多く見られた。
 ほかにも
●.「たぶん証拠なんてないんだろうな」、
●.「何を恐れている。証拠があるなら出してみろ」、
●.「偽の証拠を造るのにも時間がかかりますからね」
などのコメントもあり、中国政府の発表を信じる中国人は多いようだ。

  しかし、逆の意見もあり
●.「周りの大人たちの物事の扱い方を見ると、オレはわが国が嘘(うそ)をついているように思える」
というユーザーもいた。
 また、レーダー照射があったという前提で
●.「証拠を出したら、自衛隊の偵察周波数が明らかになり、作戦上不利になるからだ」
というコメントもあった。

  また、
●.「公開するか否かにかかわらず、日本は世論において優勢に立った。
 さらに証拠を公開されたら中国当局のメンツが立たなくなる」
という主張もあった。


 日本としては、中国のメンツを砕くことはあまり得点にはならない。
 「やってはいけない射撃用管制レーダー照射」が中国側からなされた、という発表のみで充分に中国に警告を与えた、とすることで目的は達成した、とみてもよい。
 つまり、日本は1点とったということで幕引きをするということだろう。
 「今後、このようなことが起こったら事態が深刻化するぞ」
という脅しにもなったわけである。


(2013年2月12日12時17分  読売新聞)
https://news.google.co.jp/news/section?pz=1&cf=all&topic=w&siidp=45631ed3ec71b5f608a5c3e6206d4f01bfbc

米、中国のレーダー照射「実際に起きたと確信」

 【ワシントン=中島健太郎】米国務省のヌーランド報道官は11日の記者会見で、中国海軍による海上自衛隊護衛艦への射撃用火器管制レーダー照射について、 
 「実際に起きたものだと確信している。
 この問題での中国政府への我々の懸念は、きわめて明確だ」
と述べ、日本の立場を支持すると同時に、中国に対する憂慮を改めて示した。

 報道官は日本政府から照射の根拠について説明を受けたことを明らかにした。

 中国政府は、「日本の言い分は全くの捏造ねつぞう」(華春瑩フアチュンイン・外務省副報道局長)などと火器管制レーダーの使用を否定している。

 ヌーランド報道官はまた、沖縄県の尖閣諸島に関し、
 「日本の施政を害しようとするいかなる一方的行為にも反対する」
と述べたクリントン前国務長官の見解はケリー国務長官にも引き継がれていると強調。
 「すべての当事者に対し、誤算を招き、対立を深める行動を避けるように促す」
と述べ、日中両国に挑発行為の自制を求めた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年2月12日 16時38分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69360&type=0

<レーダー照射>
「米国がやったと言えばそれが事実?」
米国務省の見解に反感、開き直り―中国版ツイッター

 2013年2月11日(現地時間)、中国艦艇による海自護衛艦などへのレーダー照射について、米国務省のヌーランド報道官はこれを事実と「確信している」と表明。
 日本の見解を支持した。
 また、米政府は中国側に対して、この件についての懸念を伝えていると示した。

 中国国防部は
 「艦載レーダーで行った通常の警戒。射撃管制レーダーは使用しておらず、日本政府の主張は完全な捏造(ねつぞう)である」
と強く訴えているが、同報道官は、
 日本側からの説明を「信用する根拠がある」
としている。

 香港の衛星テレビ局・フェニックステレビや中国紙・環球時報など複数の中国系メディアは、12日付でこれを国内に伝えている。
 これを受けて“中国版ツイッター”と呼ばれる簡易投稿サイトでは、事実の是非に関わらず日米への反感を強める声が多く聞かれ、開き直る声すら飛んでいる。
 以下、寄せられた具体的な意見。

●.「領土争いをしている二国間で、軍部の接触があるのは当然のこと。
 攻撃されれば防御するのは自然。
 かつてケンカをしたことのある2人が再び遭遇したら、反射的に身構えるのと一緒」
●.「日本人の野郎、パパにちくったのか」

●.「照射したならその理由を説明すればいい。
 照射だけで済んだのは遠慮があったから。
 隠す必要なんてない」
●.「中国国防部よ、立ち上がれ。
 胸を張ってこう言え。
 『照射しましたが、それが何か?』と。
 実際に攻撃しなかっただけましだろ」

●.「つまり、中国が照射した事実は確定?
 米国がやったと言えばそれが事実になるの?」
●.「当事者でない者が結論なんか下せるものか」
●.「“信用する根拠”はあっても“証拠”はないわけですね
 …おもしろいですね」
●.「事実かどうかは重要じゃない。
 米国が信じたことが、真実になるんだ!」
●.「民主国家はなんでこんなにうそつきなんだ!」

●.「各国とも自制心を持ち続けてほしい」
●.「各国とも緊張情勢をエスカレートさせるような行為、誤解を招く行為を慎んでほしい。
 世界で最も重要な地区の平和と安全、そして経済発展を阻害することになるから」


 「日本側からの説明を「信用する根拠がある」」
とは、科学的技術的な根拠があるということだろう。
 その検証方法が間違っていなければ、これで決まるということである。
 要はその後で、とすれば次のツイッターがもっとも説得力がある

 『照射しましたが、それが何か?』と。
 実際に攻撃しなかっただけましだろ。




日本経済新聞 2013/2/12 10:25
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1200N_S3A210C1MM0000/

米、レーダー照射「確信」と明言 中国に「懸念」伝達

 【ワシントン=吉野直也】米国務省のヌランド報道官は11日の記者会見で、中国海軍艦船による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダー照射があったことを「確信している」と明言した。
 安倍晋三首相の中国への謝罪要求に理解を示すとともに、
 中国側に「懸念」を伝えたことを明らかにした。

 米側が中国のレーダー照射を明確に認めたのは、中国の照射問題をあいまいなまま終わらせれば、中国側が再び同じような事件を引き起こすとの危機感からだ。
 米国務省が直接説明を求めたにもかかわらず、中国外務省が事実関係を認めないことにも不信感を募らせており、米側の強い姿勢を示す必要があると判断した。

 1月18日の日米外相会談で、クリントン国務長官(当時)が「日本の施政権を害そうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と従来より踏み込んだ表現で中国側をけん制。
 報道官はケリー国務長官も「同様の立場だ」と強調した。

 中国の照射問題に関して
 「同盟国である日本から説明を受けており、日米はこれまで起きたことについて緊密に連携を取りながら対応している」
と指摘。
 中国側が火器管制レーダーを日本の「捏造(ねつぞう)」と主張していることを厳しく批判した。
 さらに
 「中国の照射は偶発的な事故リスクを増やし、地域の安定と平和、経済成長を損なう恐れがある」
と訴えた。

 中国によるレーダー照射は今回は日本が自制したため、偶発的な衝突は回避できた。
 国際的な常識では照射された側が応戦し、戦闘が起こっても不思議ではない状態だ。
 パネッタ国防長官は日米韓3カ国の連携で、中国に対抗する考えを示している。







【中国海軍射撃用レーダー照射】



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