2013年2月18日月曜日

中国と米国、軍事衝突に発展する可能性は高いか低いか?



●15日、英紙タイムズは記事「中国の兵士は“実戦”準備に突入」を掲載した。日本との戦闘中に米軍が介入してくることを予想したような、実戦的な軍事演習を行っているという。写真は2010年、中国人民解放軍空挺部隊の演習。



レコードチャイナ 配信日時:2013年2月18日 10時19分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69490&type=0

<尖閣問題>
中国軍に変化、実戦的演習繰り返す=日米との衝突を想定か―英紙

 2013年2月15日、英紙タイムズは記事
 「中国の兵士は“実戦”準備に突入」
を掲載した。17日、環球網が伝えた。

 最近、中国人民解放軍の演習にある変化が生じているという。
 予定されていたシナリオで演習を行うだけではなく、アクシデントや状況の変化を織り交ぜたより実戦的な演習が実施されている。
①.核攻撃を受けたあと速やかに反撃する、
②.サイバー攻撃を受けた想定、
③.戦場に突然第三者の部隊が出現する、
④.戦場から帰還する最中に突然襲撃される
などの想定での演習が実施されているもようだ。

 ある人民解放軍の将官は過去数十年間の平和で、演習からリアルさが失われてしまったと嘆いている。
 例えば兵士が最後の一発まで銃弾を使ってしまい、その後の敵の奇襲に対応できないといったケースもあった。

 習近平(シー・ジンピン)総書記が「
 実戦に備えよ」と訓示したことも報じられているなど、中国軍の実戦への備えが注目を集めている。
 尖閣問題で対立する日本への圧力だと分析するものもあるが、実際の戦闘を想定していると指摘する声もある。

 ある西側の軍事関係者は
 中国は従来、尖閣で衝突があっても米国は介入しないと予測していたが、アクシデントに備える演習は予測を変更したことを示していると分析した。


 尖閣問題が発生したとき、中国は大声ラッパを吹くことで日本を脅かしつけて利を得ようとした。
 中国がその気になったとき中華という巨大なローラーの前に日本などはペシャンコに踏み潰されるしまうだろう、といった脅迫だった。
 「尖閣問題はその中国をその気にさせるものだ」
という脅しであった。
 この時の大言壮語は中国民衆を酔わせ、当局自身も高揚してしまった節がある。
 これで日本は打ちひしがれ、中国の言うとおりになる、と自信をもっていたようだ。

 ところが、半年も過ぎて湯気が晴れて事態がクリアーになってくると見えてきたものがある。
 日本はまったく脅しに動じなかったということと、
 逆にそれをテコにして中国に対峙していく姿を明確にし始めたことである。
 中国にとっては「そんなバカな」ということになった。
 経済的にもそうとう締めあげたはずだが、カスリ傷程度にしかなっていない。
 それよりも中国への打撃の方が大きいことが分かってきた。
 日本は脅しに屈服することはないということであり、「巡視船鬼ごっこ」ぐらいではとても日本に譲歩を迫るなんてことはできっこないということがわかってきた。
 内実の伴わない大言壮語は足元を見透かされるだけで、バカにされるだけになってきた。
 それは中国民衆にとっても、当局に対する不満になってきている。
 習近平はもはや大声ラッパは通用しないということが明瞭になった以上、この手は使えない、次の手を考えねばならない状況になってきている。
 とりあえずは、軍事にスタンスを移すという姿勢を見せつけておこうと、あとはそれからだ、といいたところではないだろうか。


レコードチャイナ 配信日時:2013年2月18日 6時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69487&type=0

中国と米国、軍事衝突に発展する可能性は低い
 =相互交流が進展、米ソ冷戦時代とは大違い―有力国際紙

 2013年2月13日、米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(電子版)は、「巨人だが覇権主義ではない」と題した論説を掲載。
 中国と米国の緊張関係が軍事衝突に発展する可能性は低いと指摘した。
 16日付で環球網が伝えた。以下はその要約。

 現在多くの人が、中国と米国の関係悪化が軍事衝突を引き起こすのではないかと危惧している。
 しかし、覇権主義がすでに過去のものとなった今、両国が世界の覇権をめぐって戦争を起こす可能性は低い。
 200年前から絶え間なく発生している争いは、いずれも超大国のどちらかが世界を手中に収めようとしたことが原因だった。
 現在は状況が大きく変化している。
 破壊力が大き過ぎる核兵器を使用しての勝利は無意味だ。
 さらにグローバル化が進む今日、1つの国が経済的な完全勝利を収めることは、すべての人間に災いをもたらすことにつながる。

 米中両国の国内にある相手国に対する敵意も減少している。
 10万人を超える中国人留学生が米国の大学で学び、数万人の米国人の若者が勉学や仕事、旅行などの目的で中国に滞在している。
 数百万人もの中国人が頻繁に海外へ出かけている状況は、旧ソ連と大きく異なる。
 また中国の多くの若者はインターネットを通じて世界に接触することができることも、覇権主義の時代と大きく異なる点だ。

 無視することができないのは、こうした中国と米国の友好関係に基づいた楽観的な期待感も、両国の大衆がメディアによる対立を煽るような報道の影響を受けていることだ。
 その背景には「米国の衰退と中国の台頭」という意識が見え隠れしている。

 実際に両国が開戦したとして、米国の地理的状況は中国よりも断然有利だ。
 国土の周りを大洋で囲まれている米国に対し、中国は中国に対して友好的ではない国々に取り囲まれているからだ。
 米中関係の安定にとって脅威になるのは、たがいの国内にある敵意ではなく、アジアに再興する可能性のある民族主義だ。
 北朝鮮と韓国、中国と日本、中国とインド、インドとパキスタンなど、いずれも民族主義の対立を煽ることで容易にコントロールを失ってしまうだろう。

 こうした状況下で米国が求められるのは、19世紀の英国のように争いの地から離れ、争いに介在することなく地域安定に努める姿勢だ。
 米国が「世界の警察」ではなく調整役にとどまり、同時に中国がアジア一の大国となっても覇権主義国にならなければ、両者の衝突は回避できるはずだ。


 アメリカと中国が戦争をする?
 そんなことはまず考えられない。
 中国には日本と戦争するスタンスすらない。
 中国には海の向こうに軍隊を派遣できる安定感がない。
 米ソも同じであった。
 ソ連は海の向こうに軍隊を派遣することはできなかった。
 原子力潜水艦が世界の海を回っていても、軍艦の寄港地はどこにもなかった。
 中国とソ連は基本的に十分的に大陸国家である。
 よって、この二国の戦争先は地続きの地域に限られている。
 アメリカは海洋国家だ。
 世界のどこへでも充分な軍隊を送れる戦容を整えているのがアメリカだ。
 よって、仮にアメリカと中国が戦争したとしても戦域は中国周辺に限定される。
 これでは、国家存亡を賭けて米中が争うことにはならない。
 ただ、一方的に中国近域が戦争状態になり、それにアメリカが介入するという展開になる。
 米中戦争とはその程度のものだ、ということである。
 つまり、米中衝突とは小手先の争いにすぎないということである。
 記事は、そういう衝突はありえない、ともいっている。
 戦闘が中国大陸地続きで行われるかぎりアメリカの介入はない。
 しかし、海を挟んでの衝突では必ずアメリカは介入してくる。
 これは中国とアメリカの性格の違いによるものだ。




【中国海軍射撃用レーダー照射】


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