2013年3月9日土曜日

韓国大統領、地下防空壕ーに入る:北朝鮮の挑発、五つの極秘シナリオ









朝鮮日報 記事入力 : 2013/03/09 10:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/09/2013030900471.html

北朝鮮の挑発、五つの極秘シナリオ

 韓国大統領府(青瓦台)は8日午前、外交安全保障政策調整会議を緊急に開き、北朝鮮が近く挑発に出る可能性が高いと判断した上で、挑発のタイプ別に対応策を検討した。

 会議では
▲.延坪島砲撃のような単発の局地的挑発
▲.首都圏などを攻撃する高いレベルの挑発
▲.複数地域を攻撃する同時多発的挑発
▲.4回目の核実験を含む核関連の挑発
▲.テロに分類される非定型的挑発
―の可能性について論議した。
 また、複数のタイプを組み合わせ、同時または連鎖的な挑発を行う「複合挑発」についても対応策を検討したとされる。
 会議は大統領府の外交安全保障首席秘書官が議長を務め、省に相当する外交通商部、国防部、統一部の次官、国家情報部第1次長、総理室国務次長が出席した。

 韓国政府高官は
 「北朝鮮が一両日中にも挑発に出てくる確率が高い。
 北朝鮮が東海(日本海)と西海(黄海)の双方に航行禁止区域を設定し、咸鏡北道豊渓里の核実験場周辺で軍の移動も一部確認されているため、挑発のタイプを予想するのは困難だ」
と述べた。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は同日午後、
 大統領府の国家危機管理状況室(地下バンカー)で、
会議の結果や国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁決議後の北朝鮮軍の動向と対応態勢について報告を受けた。
 報告には大統領府の国家安全保障室長に内定している金章洙(キム・ジャンス)氏も同席した。
 朴大統領は就任12日目で事実上の国家安全保障会議(NSC)を招集した格好だ。
 朴大統領が地下バンカーに入ったのは今回が初めてだ。

 朴大統領は席上
 「北朝鮮が未知の脅迫を加えてきている。
 延坪島住民の対応をしっかり整え、北朝鮮の脅威に対し、どんなシナリオでも軍と安全保障態勢にすきがないと国民に信頼してもらえる契機となるようにしてもらいたい」
と要請した。

 一方、北朝鮮の祖国平和統一委員会は同日
 「朝鮮停戦協定が完全に無効化される11日から北南間の不可侵に関する合意も全面的に無効化される」
とし
 「板門店の連絡通路の閉鎖を宣言し、北南間の直通電話も即時断絶する」
との声明を出した。
 朝鮮中央通信は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が7日、2010年11月に韓国領の延坪島を砲撃した「長在島防御隊」と「茂島英雄防御隊」を視察したと報じ、関連写真を配信した。

 これについて、韓国国防部のキム・ミンソク報道官は
 「北朝鮮が核兵器で韓国を攻撃すれば、金正恩政権は地球上から消滅することになる」
と語った。




朝鮮日報 記事入力 : 2013/03/09 10:52
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/09/2013030900470.html

韓国軍:北の長射程砲に弾道ミサイルで対抗
命中精度は半径数メートルのレベルにまで向上
精密攻撃が可能に

  韓国軍当局は、前方地域から韓国首都圏を脅かしている北朝鮮の長射程砲陣地などを破壊するため、短距離地対地戦術弾道ミサイルを開発している。
 韓国軍はこのミサイルの命中精度を、従来の十数メートル水準からから数メートルの水準にまで大きく向上させることに成功したという。

 通常、精密誘導を受ける巡航ミサイルなら命中精度は数メートルの高水準に達するが、慣性航法装置などを用いる弾道ミサイルの場合、精度は巡航ミサイルに比べ低く、数十-数百メートル水準になることが多い。

 韓国政府の消息筋は8日
 「昨年12月初めに射程100キロの短距離弾道ミサイルの試射を行い、半径数メートルの精度で目標に命中させることに成功した。
 以前実施した試験では、半径十数メートルの精度で目標に命中した」
 「数メートルという精度は、北朝鮮の長射程砲の坑道陣地を極めて正確に攻撃できることを意味する」
と語った。

 DMZ(非武装地帯)付近の最前方地域には、北朝鮮の長射程砲(240ミリ多連装ロケット砲、170ミリ自走砲)約340門が配備され、韓国の首都圏を脅かしている。
 韓国軍当局は、2010年11月に起こった延坪島砲撃事件以降、これらの長射程砲が隠れている坑道陣地を速やかに破壊するため「稲妻事業」というコードネームで新型短距離ミサイル開発を行ってきた。

 このミサイルは、北朝鮮によるGPS(衛星利用測位システム)の妨害に備え、妨害を回避できる地上ベースの航法システム(GBNS)から誘導を受けるのが特徴だ。
 合同参謀本部(合参)は昨年9月、国会の国政監査に際し、非公開で「北朝鮮の坑道陣地破壊用弾道ミサイルの開発に成功した」と報告していたが、具体的な命中精度などの諸元は明らかにしなかった。
 韓国軍当局は、一部のシステムの補完などさらなる開発を進め、1-2年後にこのミサイルを実戦配備する計画だという。

 韓国を脅かしている北朝鮮の弾道ミサイルのうち、スカッド(射程300-500キロ)の精度は半径100-300メートル、ノドン(射程1300キロ)の精度は半径1-2キロと、かなり低いという。
 一方、韓国陸軍に配備されている「玄武2」ミサイル(射程300キロ)の精度は半径30メートルの水準に達する。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/03/10 09:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/10/2013031000083.html

【コラム】誰も信じていない「北朝鮮の核の阻止」

 北朝鮮の核は、今や天下無敵だ。
 今年2月12日に3回目の核実験を行った後、北朝鮮の核は世界の誰にも止められず、誰も対抗できない「ならず者」的存在に変容した。
 核兵器の威力が大きいからではなく、核武装に向かう道を封じる手段がないからだ。

 米国とオバマ大統領は、お手上げ状態だ。
 脅す、なだめる、資金断絶などあらゆる手を尽くした。
 それでも北朝鮮の核は「ゴー」だった。
 中国が引き止めれば、話を聞いたかもしれない。
 しかし中国は、体面を保つために引き止めるふりをしただけで、大きな声を上げることはなかった。
 仮に中国が怒りをあらわにしても、北朝鮮は話を聞こうとしない。
 これまでは一歩引いたかのようなスタンスでいたロシアまで「事態をこれ以上悪化させてはならない」と干渉に乗り出した。
 米国は、対北朝鮮制裁より、自分たちが販売(?)しているミサイル防衛(MD)システムの市場性の方に関心があるらしい。
 北朝鮮の核の目標は米国ではない、という内情が読み取れる動きだ。

 そんなわけで、国連安保理での北朝鮮制裁はぐずぐずと遅れるばかりだ。
 今年2月26日付のニューヨーク・タイムズ紙は
 「北朝鮮の3回目の核実験に対する全世界の怒りと叱責(しっせき)は、国連の適切な対抗策を引き出すかに見えたが『スローモーション外交』と米中ロなどの不協和音のため、うやむやになっている」
と報じた。あるいは、
 新たな制裁が実現した場合、米国は「悲惨な破壊」に直面するだろう、という北朝鮮の脅迫が奏功しているのかもしれない。
 中国が決まって口にする「北東アジアの平和と安定」、
 ロシアが新たに持ち出してきた「交渉が唯一の選択」
などの主張は、北朝鮮の核をこれ以上刺激しないでおこう、という国際社会の暗黙の意思表示だ。
 しかも3月になって、安保理議長国が韓国からロシアに移ったため、安保理での「措置」も水泡に帰することになる。

 ならば、北朝鮮の核の直接的かつ全面的なターゲットである韓国には、何か独自の対策でもあるのか。
 一言で言えば、韓国もお手上げ状態だ。
 ひたすら信じるのは米国で、もしやと期待をかけるのが中国だったのに、その国々がお手上げなので、韓国は座り込んでため息をつくばかりだ。
 それでも黙っていられず、まだ「態度を変えるのなら助けてやる」などと北朝鮮に対して巧みな言葉を連発しているが、これまで幾度となく聞いた「懐メロ」以上の効果はない。

 韓国側がお手上げ状態なだけに、北朝鮮は得意満面だ。
 北朝鮮当局は最近、韓国の従北(北朝鮮に追従する)勢力に対し
 「北朝鮮の核を既成事実として容認する状況で、南北対話を導け」
というメッセージを送っているという。
 既に左派陣営からは
 「北朝鮮の核と南北対話は別に扱うべきで、北朝鮮の核問題は6カ国協議などで話し合い、対話は南北間で並行して実施しよう」
という主張が出ている。
 キジはもう食べたから今度は卵を食べよう、というつもりらしい。

 にもかかわらず朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、三一節(独立運動記念日)の演説で
 「北朝鮮が正しい選択で変化の道を歩もうというなら、韓国はもう少し柔軟にアプローチするだろう」
 「北朝鮮が『信頼の道』に進むことを望む」
と訴え、対話の余地を残した。
 国連安保理の制裁は遅れており、対話は北朝鮮の核を認めることを前提にして進めるつもりなら、結論から言って結局韓国は打つ手なしの状態だ。
 朴槿恵政権が発足する時点で、北朝鮮はミサイルを撃ち、核実験を強行した。
 時を同じくして統合進歩党が旗を掲げ、朴政権をひどくののしり、野党の強硬派は政府組織の改編で朴政権の足を引っ張っている。
 これが偶然の産物ばかりではないとするなら、
 朴政権に対する北朝鮮の攻勢が徐々に強まってきている
と容易に推測できる。

 極端な場合、北朝鮮は韓国に対し核の挑発を行う方向へと戦略を変える可能性もある。
 今回の核実験は、その内容から、北朝鮮の核が小型化・軽量化・多発化できることを意味している。
 その小型核兵器を、北朝鮮が局地的に使用した場合、中国との衝突や核戦争の全面化などを恐れる米国としては、対応に限界があるだろう。
 従って北朝鮮は、米国と中国の手足を縛った状態で、核兵器を韓国脅迫用に積極的に活用できる。
 中国が北朝鮮の核を止められず、米国も核の報復ができないとなれば、
 韓国は「北朝鮮の核の無法地帯」と隣り合わせということになる。

 この場合、韓国の選択は実に悲惨だ。
①.北朝鮮の核と共に生きるというのが第一のオプション。
 「共に生きる」とは言うが、これは屈服して生きるということだ。北朝鮮がやれと言うことをやり、よこせと言うものを与えて暮らすわけだ。
②.第二のオプションは、北朝鮮と対決する道を歩むというもの。
 それが独自の核開発になるのか、あるいは金正恩(キム・ジョンウン)政権の崩壊、すなわち「レジームチェンジ」を狙った工作になるのかは、国民的合意と指導者の決断に懸かっている。
 北朝鮮の核兵器を廃絶するより、北朝鮮の政権を変える方が容易だという意見もある。

 韓国は、誰も信じることができない。
 そのため、これまで以上に冷静になる必要がある。 
 これ以上、言葉遊びや空虚な期待で北朝鮮に時間を与え、無駄に月日を過ごすことはできない。



ロイター 2013年 03月 8日 17:23 JS
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92705K20130308

焦点:北朝鮮が挑発する「核攻撃」、歴史が語る不吉な前兆

[ワシントン 7日 ロイター] 
 孤立を深める北朝鮮が外部に向かって「血の凍るような」軍事的脅威を発することは珍しくなく、世界はそうしたメッセージを「大げさなレトリック」としてまともに取り合わないようになっている。 
 しかし、北朝鮮が時として何らかの行動に移すことも歴史は物語っている。

 北朝鮮外務省は7日、米国に対する「核兵器での先制攻撃」にまで踏み込んだが、これについても専門家の間では、まだ技術的には不可能であり、実施できたとしても自殺行為だとの考えが支配的だ。
 米国務省のヌランド報道官は
 「こういった極端な言葉遣いは、残念ながら、北朝鮮に関しては珍しいことではない」
とコメント。
 米国は北朝鮮のいかなる攻撃からも、同盟国である日本と韓国を防衛できると付け加えた。

 今回の北朝鮮の「挑発」は、国連安全保障理事会が3回目の核実験を強行した同国に対する制裁決議を採択する数時間前に出された。

 北朝鮮が譲歩の姿勢を見せてきた場合に関して言えば、彼らの言葉を額面通りに受け取るのは今や不可能に近い。
 朝鮮半島の非核化をめぐる過去20年の外交交渉では、約束や合意は何度も反故(ほご)にされ、北朝鮮は着実に核兵器開発を進めてきた。
 2000年に歴史的な南北共同宣言が締結された後には、韓国から北朝鮮に多額の支援が行われたが、その見返りとして韓国が得たものはほとんどない。

 一方、北朝鮮からの軍事的警告に関して言えば、何らかの行動が伴う「実績」がある。
 2006年と2009年、そして今年2月の核実験は、国際社会が強く自制が求めたにもかかわらず実施した。
 過去2回の核実験は、国連安保理の制裁を無視する格好で行われたものだ。

■<何らかの行動の前兆か>

 米中央情報局(CIA)で北朝鮮担当分析官だったブルース・クリングナー氏は、北朝鮮が朝鮮中央通信社(KCNA)を通じてたびたび繰り返す軍事的警告について、
 「大言壮語であり、差し迫った武力攻撃を示唆するが、結局それは起きていない」
と述べる。
 韓国の国民や金融市場は、ソウルを「火の海にする」という北朝鮮の決まり文句を受け流すことにずいぶん前から慣れている。

 7日の「核兵器による先制攻撃」についても、専門家や米当局者の間では、韓国や米国、そして中国を威嚇することが目的だとの見方で共通する。

 グリン・デービース米政府特別代表(北朝鮮担当)は上院公聴会で、
 「国際社会が結束を強めて圧力をかけているという事実に対する北朝鮮の典型的反応という部分が大きい」
と述べた。

 また、アジア協会のマット・シュトゥンプ氏は、もし北朝鮮の目的が米国を核交渉のテーブルに復帰させることだとすれば、その狙いは失敗だと指摘。
 「一連の危機を通じ、米国、韓国、日本、中国の見解がどれほど変わったかを北朝鮮は見過ごしている」
とし、
 「過去には有効な戦略だったかもしれないが、北朝鮮が真の変化にコミットしていることを見せない限り、(米国などに)交渉への意欲はほとんどない」
と語った。

 米議会調査部は、先月の地下核実験後に発表した報告書で、北朝鮮が少なくとも核兵器6個分のプルトニウムを保有していると推測されるが、弾頭の小型化なしに米国への核ミサイル攻撃は不可能だと結論づけている。

 ただ、前出のクリングナー氏は、
 「北朝鮮の脅しを簡単に排除することはできない。
 実行に移されることもあるからだ」
と警鐘を鳴らす。

 同氏はその例として、2010年の延坪島砲撃事件と韓国哨戒艦沈没事件を挙げる。
 北朝鮮は哨戒艦沈没への関与を否定しているが、両事件の前には韓国の李明博政権(当時)を強く非難し、攻撃も示唆していた。

 現在は米ヘリテージ財団に所属するクリングナー氏は
 「北朝鮮の新たな脅しは、過去の多くの場合そうだったように今回も実行に移されないで終わるのか、それとも、これから起こす行動の前兆だろうか。
 常に難しい問題だ」
と語っている。

(原文執筆:Paul Eckert、翻訳:宮井伸明、編集:梅川崇)





【中国海軍射撃用レーダー照射】


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