2013年3月10日日曜日

韓国産業界の脱中国の動き:政府は中国を選択したのだが?





朝鮮日報 記事入力 : 2013/03/10 09:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/10/2013031000134.html

韓国製造業の海外投資額、対東南アが対中を逆転

 昨年中国での売上高が2兆ウォン(約1720億円)を超えた衣料大手イーランドは、今後OEM(相手ブランドによる生産)を除き、中国に工場を設置する計画はない。
 一方で、最近数年間にベトナム、スリランカ、インドに直営工場を建てた。
 中国で人件費が上昇し、採算性が大幅に低下すると判断したためだ。
 同社関係者は
 「中国は今や巨大な消費市場であり、生産工場としての役割は大きく低下した」
と指摘した。

 脱中国現象は数字にも表れている。
 韓国輸出入銀行によると、昨年1-9月の韓国企業による製造業投資額は
●.対中投資が13億9000億ドル、
●.東南アジア主要5カ国(ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン)への投資が16億6300万ドル
と逆転した。
 韓国企業は中国よりも東南アジアに多くの工場を建てたことを示している。

 韓国企業の中国と東南アジアに対する製造業投資額が逆転したのは、1992年8月の韓中国交正常化以来初めてだ。
 これまで韓国企業は人件費の安い中国に工場を建設するのが大勢だっただけに、アジア域内の分業体制に構造的な変化が起きていることになる。
 韓国が日本、米国などの企業と同様「脱中国」の列に本格的に加わったとの分析も聞かれる。

 韓国製造業による中国への工場移転ブームは2004年から07年がピークだった。
 04年に韓国企業が中国に設立した生産法人は1673社を数えた。
 しかし、その後は徐々に減少し、昨年1-9月は273社にとどまった。

■人件費安い東南アジアへ

 決定的な契機となったのは中国の人件費問題だ。
 中国の賃金は2000年代半ばから毎年2桁台の上昇を示している。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、昨年10月現在で中国の製造業労働者の基本給は月328ドル(約3万1000円)で、フィリピン(253ドル=約2万4000円)、ベトナム(145ドル=約1万4000円)、ミャンマー(53ドル=約5000円)に比べ高かった。
 経済発展のペースが速く、人件費が相対的に高い中国沿海部での基本給は月60-70万ウォン(約5万1000-6万円)だが、3年以内に100万ウォン(約8万6000円)前後に達する見通しだ。
 これは月120万ウォン(約10万3000円)の韓国の最低賃金と大差がない数字だ。

 中国の賃金上昇を受け、韓国企業の東南アジアへのシフトが目立つようになった。
 韓国企業は11年、インドネシアでの新規工場建設93件に8億4600万ドルを投資し、過去最高を更新した。

 日米の企業は韓国に先立ち、脱中国に動いている。
 日本は尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題で中国国内の反日感情が高まっていることを受け、東南アジアへの計画的移転を積極的に進めている。

 中国でプリンター、DVDプレーヤーなどを生産する船井電機は12年3月期時点で90%だった中国での生産割合を50%まで引き下げることを決めた。
 現代、フィリピンなどに新工場の建設を進めている。
 流通大手のイトーヨーカドーも中国での生産割合を大幅に引き下げる予定だ。

■韓国へのUターンも検討

 これまで中国に投資した韓国の製造業者は累計で1万6235社に達する。
 このうちかなりの企業が韓国へのUターンの動きを見せている。
 宝石加工業者23社が昨年、山東省青島市から全羅北道益山市の工業団地に移転した例が代表的だ。
 忠清北道も中国に進出した韓国企業1000社に文書でUターンを打診している。

 このほか、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のUターン企業支援センターを通じ、Uターンを推進している企業が40-50社ある。
 KOTRAのチョン・ヨンジュン専門委員は
 「東南アジアの賃金も上昇傾向にあるため、『メード・イン・コリア』のブランド価値を生かし、先進国市場への進出を目指す企業による相談が増えている」
と説明した。

■中国工場、内需向けに再編

 中国は「世界の工場」としての地位を失ったのか。
 専門家は
 「単純な労働集約的な製造業から高付加価値へとシフトしているのであって、製造業自体が没落するとは断言できない」
と分析している。

 産業研究院の張允鍾(チャン・ユンジョン)博士は
 「中国政府が外国企業を無条件で歓迎する姿勢から『何を持っているのか』にこだわる姿勢へと変化している。
 中国の状況変化を常に観察すべきだ」
と話した。
 サムスン電子が陝西省西安市に8兆ウォン(約6900億円)を投じ、半導体工場を建設するのも、中国政府の高付加価値工場誘致の一環だ。

 成均館大経営専門大学院の劉必和(ユ・ピルファ)院長は
 「中国を離れるのはまだ低賃金に頼る業種にとどまっている。
 世界最大の消費市場に浮上した中国市場を攻略する上で、現地工場は依然として重要な意味を持つ
と指摘した。


 韓国はサムスン電子と現代自動車を守るために「唯一の選択」として中国を選んだ。
 しかし、産業界は確実に中国から離れていっている。
 尖閣問題によって日本の中国離れは加速するであろうから、
 その空席を狙って韓国は中国進出を大掛かりに実行するのではないかと、
 誰もが思っている。
 さてどうだろう。
 韓国は中国へ進出を強めるか、それとも脱中国へ動くか。
 今の韓国は中国経済によって支えられている。
 もし中国に叱責をくらうようなら、韓国の明日は危なくなる




【中国海軍射撃用レーダー照射】


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