2013年3月5日火曜日

解放軍予算(国防費)を超える、国内公安対策費の11兆円



●5日、中国・北京市で第12期全人代第1回会議が開幕した。香港メディアは同日、中国の予算報告を引用しながら「2013年度の中国では、国内の治安維持費が再び軍事費を超えた」と報道した。写真は5日に開幕した第12期全人代第1回会議。




(2013年3月5日14時15分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130305-OYT1T00552.htm?from=top

中国国防費、日本の2・4倍に…全人代開幕

 【北京=五十嵐文、牧野田亨】中国の第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第1回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。

 温家宝(ウェンジアバオ)首相は開幕冒頭の政府活動報告で、
 「海洋の総合管理を強化し、国家の海洋権益を守っていく」
と強調、
 沖縄県・尖閣諸島などを念頭に国家主権や領土問題で譲歩しない姿勢を改めて示した。

 全人代にあわせて財務省がまとめた国家予算案によると、
 2013年の国防予算は、前年実績比10・7%増の7406億2200万元(約11兆1100億円)に達し、3年連続で2けたの伸びとなった。
 温首相はまた、13年の経済成長率目標を、昨年と同様に7・5%前後に設定することも表明した。

 日本の13年度予算案での防衛関係費は前年度比0・8%増の4兆6804億円となっており、
 中国の国防予算は公表分だけでも、現在の為替レートで日本の約2・4倍となる。


 中国のGDPは日本の「1.5倍」、国防費は公の分だけでも「2.5倍」。
 ウラの部分を含めると、その倍という説もあるので正確にはわからない。
 中国は広いし、人口も多い。
 日本の何倍くらいがが適正であろうかは不明である。


ウォールストリートジャーナル    2013年 3月 05日 11:03 JST By JEREMY PAGE
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323994204578341012231487472.html

習近平氏、軍部の機嫌うかがう―中国国防費は10.7%増 

 【北京】
 中国の新しい指導者、習近平氏は
 経済成長が鈍っていても十分な国防費を振り分けることで将軍たちに取り入ろうとし
 中国が一連の諸島の領有権をめぐり日本と対立し、米国がアジアにその戦略的軸足を移そうとしていることに対抗する中で、
 強力な軍指導者としてのイメージを作り上げようとしているようだ。

 5日に開幕した全国人民代表大会(全人代=国会に相当)に提出された今年の国家予算案では、国防支出が7202億元(約11兆円)となり、前年比10.7%増加すると見込まれている。

 習近平氏が昨年11月、10年に1度の指導部交代の一環として共産党総書記と軍のトップに就任してから、今回が初めての予算となる。

 同国の軍事支出は過去20年間、同じペースで伸びてきたが、今年は同国の全般的な景気が減速し始めた中での伸びだ。
 全人代は2年連続での7.5%の国内総生産(GDP)の伸び目標を承認する見込みだ。
 過去10年間はほとんどが10%を超える伸び率だった。

 外交筋やアナリストは、同氏が予想以上に早く強力な軍指導者としての地位を確立していると述べ、就任後の100日間で陸軍や海軍、空軍、それにミサイル部隊を訪れ、
 「戦って戦争に勝利を収める」能力を高めるキャンペーン
を打ち出したとしている。

 これらの人々はまた、同氏は日本と領有権を争っている諸島周辺への民間船舶と軍監視船派遣の拡大を監督している省庁間組織を直接管理していると指摘した。
 諸島周辺では中国船舶が日本の船舶や航空機と対峙しており、国防専門家は軍事衝突にエスカレートする恐れがあるとしている。

 習氏のよりダイナミックな軍事的プロフィールは、軍内部での政治的支持基盤を構築し、前任者の胡錦濤国家主席とは違うというイメージを作ることが目的だ。
 胡錦濤氏は軍部に自己の権威を打ち立てるのに苦労し、一般に弱体でカリスマ性のない指導者と見られていた、と外交筋は指摘する。

 しかし、米国やその他の外国政府は、同氏の軍との近しい関係は最近の中国の行動、特に東シナ海と南シナ海での領土紛争に関した行動の継続、あるいはそのエスカレーションにつながるという結果をもたらすかもしれないと注視している。

 米軍の中国近海へのアクセスを防ぐための軍事能力の急速な拡大を伴う同国の強硬さは、オバマ政権が昨年、アジアでの防衛と貿易のつながりを強化することを決定した要因の一つだ。
 中国はこの動きに対して、同国の経済的、軍事的躍進を封じ込めることを狙った策略だと非難している。

 2012年の中国の国防支出は約1060億ドル(9兆9000億円)で、前年比11.2%増だった。
 同国は、国防予算は経済成長に沿って拡大しているが、どこかの国を念頭に置いたものではなく、しかも米国のそれを依然大幅に下回っていると指摘している。
 国防予算は通常、全人代開幕の前日の記者会見で公表されるが、全人代の報道官を務める傅瑩外務次官は4日の会見で予算額を明らかにしなかった。

 同次官は
 「中国は毎年、なぜ国防を強化しているのか、なぜ国防支出を増やしているのか説明する必要があるようだ」
とし、
 「中国のような大国がその安全保障を守れなければ、それは世界全体にとっても良いニュースではない」
と述べた。
 その上で、
 「中国の国防能力の強化はアジアの一層の安定に貢献し、世界平和に貢献するだろう」
と語った。


 中国軍に詳しい専門家は以前から、同国の実際の国防予算は公式の数字をはるかに上回るとし、公式の数字には武器輸入や国産武器の開発、宇宙計画のうちの軍事面に関する支出が含まれていないと指摘している。
 米国防総省は12年、中国の11年の実際の国防支出が1200億—1800億ドルに上ったとの推定を明らかにした。

 しかし、3月のチャイナ・クオータリー誌に掲載される予定の西側学者2人の記事は、中国の公式の軍事予算は徐々に実際の支出を反映するようになっており、災害救助費など、西側の国防予算には通常入らない項目も一部含まれている、と指摘している。

 米プリンストン大学の博士号取得候補者、アダム・リフ氏と米海軍大学のアンドルー・エリクソン准教授はこの中で、
 「公式国防予算の伸びはほぼGDPの伸びに一致しており、中央政府の支出の伸び鈍化の一因となっている」
と書いている。
 2人は
 「このことは一般的に言って、軍近代化への投資
 —共産党指導部の継続、国家の生存、重大な国益の防衛にとって喫緊と考えられる一定の能力は別にして—
は、北京の指導部にとって経済発展よりも依然として全般に優先度が低い」
と述べている。

 中国軍に詳しい専門家はまた、将軍たちは12年に第1号が明らかにされた空母や11年に初の試験飛行が行われたステルス型戦闘機など、費用のかかる武器システムの開発資金を賄うために、実質国防支出の大幅増を働きかけていると述べている。

 
 2011年の公式国防費は約955億ドル、
 実際の国防費は1200億---1800億ドルとすると、
 「1.3倍---1.9倍」になる。
 ということは、5割増は確実とみても大きく間違いないだろう。
 よって、今年の国防費はウラオモテ合わせると、「16兆円から20兆円くらい」になるだろう。
 
 さあ、いよいよやるか!


 さて、もう一つの暴力費用が公安費である。
 これは通常、軍事費に匹敵する。
 つまり、同じ費用をかけて、国を外から、そして内部の社会暴動から守っているというわけである。


レコードチャイナ 配信日時:2013年3月6日 18時57分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70058&type=0

中国の治安維持費、
3年連続で軍事費を上回る=2013年度の予算は11兆円―香港メディア

 2013年3月5日、中国・北京市で第12期全人代第1回会議が開幕した。
 香港メディアは同日、中国の予算報告を引用しながら
 「2013年度の中国では、国内の治安維持費が再び軍事費を超えた」
と報道した。
 ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版サイトが伝えた。

 社会治安を守るための安定維持費は、長きにわたって国内のインターネットで批判の的となっている。
 彼らは、中国共産党が国家予算を使って、党の敵対勢力や党組織にたてつく集団を鎮圧していると考えているからだ。

 香港メディアの報道によると、治安維持費に相当すると考えられる「公共安全予算」は、
 2013年度で7690億8000万元(約11兆4000億円)。
 これは軍事予算の7406億2200万元(約10兆9800億円)を超えており、2011年から3年連続で公共安全予算が軍事費予算を上回っていることになる。
 なお、増加幅では公共安全予算は9.59%で、軍事費の10.7%に及ばなかった。

 また、記事では2010年5月の中国社会科学報の報道を引用し、実際には2009年から、治安維持費が軍事費を超える状況は続いていると指摘している。


 相変わらずの公安費用である。
 解放軍の予算に匹敵する額を使って、民衆を抑えこんでいるのが中国の実情。
 このお金があるからこそ中国共産党は政権を維持できている。
 独裁政治を維持するにはお金がかかる、ということである。
 言い換えると共産党ガードマン費用。
これでは解放軍が共産党の言うことを聞かなくなるのはわかるような気がする。
 共産党にとって、最も信頼出来る軍事力とは外国からの侵略を防ぐ解放軍ではなく、民衆の社会不満を抑えこむ軍事警察を筆頭とする公安機関なのである。
 この組織は忠実な近衛であり、決して共産党を裏切らない。




レコードチャイナ 配信日時:2013年3月7日 10時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70072&type=0

中国の軍事費、2013年は10兆円超で日本の倍以上
=二桁増加は自然であり米国との対抗ではない―中国メディア

 2013年3月6日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報によると、中国の2013年度国防予算は10.7%増加の7202億元(約10兆6800億円)となった。
 増加幅は2012年の11.2%より低いが、二桁を維持した。
 他のいくつかの大国の2013年度国防予算を見ると、
 米国は6330億ドル(約59兆300億円)、
 日本は約522億ドル(約4兆8600億円)、
 インドは約374億5000万ドル(約3兆4900億円)、
 ロシアは約677億ドル(約6兆3100億円)
となっている。

 中国はGDPで世界2位、軍事費でも世界2位なのであり、これは大騒ぎするに値しない。
 西側と周辺の数少ない国々はこれに対して批判的だが、こうした不平はすでに国際政治において常態化したバブルである。
 中国軍の近代化は国際社会がみな予期していたことであり、そのスピードは中国全体の近代化とほぼ見合ったものだ。

 7202億元(約1157億ドル)という中国の軍事費が多いのか少ないのかは何とも言えない。
 重要なのはどの国と比べるか、そして中国が安全保障上どのような課題や潜在的脅威に直面しているかだ。

 中国の戦略・安保情勢は混迷とまでは言えないが、不確定性が多い。
 中国の安全保障にとって潜在的危険となっているのが日本やフィリピンといった周辺国だけでないのは明らかで、中国はその背後に米国が立っているのを常に感じている。
 だが中国の軍事費増加が米国に対抗するためということもあり得ない。
 もしそうならまずいことになる。
 少なくとも今後数十年間は、いくら軍事費を増加しても米国と衝突する力は中国にはないからだ。

 それでは、中国がより容易に外の世界と平和的に共存できるようにするには、おとなしく低軍事費国になった方がいいのか、それとも高軍事費国になった方がいいのか。
 高すぎるのも低すぎるのもだめだろう。
 世界には大国が国防を強大化せずともよいという前例もノウハウもない。
 中国がこのリスクを冒すわけにはいかない。
 だが軍国主義の道を歩み、いたる所で威圧的に振舞えば、自らをより大きなリスクにさらすことになる。

 最も堅実な方法は軍事力の伸びと総合国力の伸びを協調させ、軍事力の規模と発展のスピードを外の世界の予期とほぼ一致させることだ。 
 現在、中国の軍事費の増加幅はこの枠組みを突破しておらず、外の世界はこれに適応している。
 二桁の軍事費増加はパニックを引き起こしてはいない。
 このため中国は簡単に二桁の増加から退くわけにはいかない。

 軍事力の協調的な伸びを維持すれば中国は最も安全であり、中国の新たな利益を守ることができる。
 軍事力の伸びが外国に与える刺激は突出したものとは言えず、
 世界のパワー構造の変化は漸進性を維持することができる。
 中国と外国との関係は全面的、総合的なものとなり、軍事的比較は日常では見えない位置に置かれる。

 中国の軍事費の比較的速い伸びは埋め合わせ的なものである。
 これは実情だ。われわれは中国が他の大国との間で現在最も競争力を備えているのが依然経済分野であり、中国の米国に対する経済的挑戦は軍事的競争を遥かに上回るものであることに難なく気づく。
 これは米国の議員が人民元相場により多く圧力を加える一方で、中国の軍事費の増加についてはいまだにあまり重く見ていないことの理由とも言えよう。

 かつての米軍とソ連軍の比較を見てみれば、もっとはっきりする。
 ソ連は経済規模が米国に遥かに及ばない段階で、軍事力では米国と肩を並べていた。
 これこそ軍拡競争と呼ぶのだ。
 今日の中国には当時のソ連のような戦略面の野心はない。
 だから中国の軍事費は「自然に増加している」と言うのであり、米国と対抗するために増えているのではない。

 中国は平和的発展を望んでおり、通常の経済的手段、外交的手段では解決できない難題を軍事的手段によって解決しようとは考えもしない。
 だが中国の軍事力は国家の安保戦略の内在的必要と見合ったものでなければならない。
 さもなくば、中国を乱暴に扱う口実を他国に与え、中国は激しい反撃を余儀なくされ、平和は危険にさらされる。

 中国の軍事費に関する外国の議論は当面はまだ破壊力を持たない。
 中国政府は国内の意見により注目し、年々増加する軍事費を国防発展の要に充てるとともに、軍事費の用途の一層の透明化によって大衆の信頼を揺るぎないものにし続けるべきだ。

 中国は新たな先進的兵器を開発し続け、かつ速やかに配備すべきだ。
 こうした国防建設は最も大衆を引きつけるし、軍事費の使用効率に対する大衆の疑念も最もよく解消できる。
 長期的に見ると、国防の発展に対する大衆の支持はどんどん重要になる。
 そして国防について国内で強大な共通認識を保つことは、外国世論および各種の圧力を防ぎ止めるうえでの基礎的な支えとなるのだ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)




レコードチャイナ 配信日時:2013年3月7日 12時42分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70074&type=0

中国の軍事費拡大は明らかに鈍化している=米専門家が指摘―英紙

 2013年3月5日、英紙フィナンシャル・タイムズは
` 中国の軍事費急拡大の時代は終わりを告げた
との専門家の指摘を報じている。
 BBC中国語版が伝えた。

 5日、中国政府は全国人民代表大会(全人代)に2013年度予算案を発表した。
 中国の国防費は7406億元(約11兆1000億円)で前年比10.7%増と二桁成長を記録した。
 中国は1989年以降、2010年を除いて国防費の二桁成長を続けている。

 しかし米国で中国の軍事について研究しているアダム・リフ、アンドリュー・エリクソンは軍事費の伸びは鈍化していると指摘した。
 1990年から1999年の国防予算成長率は平均15.7%。
  2000年から2009年は平均16.7%で推移している。
 しかし直近3年を見ると、2011年の12.7%、2012年の11.2%、そして今年の10.7%と明らかに鈍化している。

 アダム・リフ、アンドリュー・エリクソン両氏は中国の軍事費は高成長を続けているものの、国家にとって最大の支出項目ではなく、旧ソ連とはまったく状況が異なると指摘した。
 また、中国には透明性が不足しており、実際の軍事費は公表されたものよりはるかに多いとも批判されているが、
 両氏によると、公表された軍事費と推定された実際の軍事費の差は年々縮小しているという。




【中国海軍射撃用レーダー照射】


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