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ロイター 2013年 03月 11日 15:59 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92A04620130311
アングル:環境情報も「国家機密」、中国汚染拡大で晴れぬ視界
[北京/上海 10日 ロイター] 中国環境保護省は先月、土壌汚染に関する2年前のデータは「国家機密」だとして、弁護士のDong Zhengwei氏にアクセスは不可能だと宣告した。
環境悪化に対する国民の怒りが高まる中、情報統制の厳しさが波紋を広げている。
マイクロブロガーや国営メディアに加え、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の代表団も、大気汚染や水質汚染について政府への批判を強めており、入手可能な環境情報が乏しすぎると懸念を示している。
ロイターのインタビューに応じたDong氏は、
「この問題の本質は、環境保護という観点を超えている。
これは、中国が長年抱えてきた政府の透明性の問題にかかわってくる」
と指摘。
「正当性がないのに盾として『国家機密』を使うべきではない」
と非難した。
中国は通常、汚職や安全保障のような問題に関する情報は公開せず、国民が審査することを許していない。
しかし、環境に対する国民の怒りによって、当局は要求を受け入れざるを得なくなるかもしれない。
■<無言の殺人者>
北京で1月、危険水準をはるかに上回るレベルに到達した大気汚染。
中国の環境問題の代表的なものとしてみられているが、
Dong氏は土壌汚染が「無言の殺人者」として脅威となっていると警告する。
Dong氏は先月、2006─10年に行われた全国調査で集められた土壌サンプルのデータの開示を求めたが、環境保護省は「国家機密」として拒否した。
中国政府は過去に、環境情報へのアクセスを求める国民からのプレッシャーに屈したことがあった。
2012年初めには、北京の大気汚染への怒りが高まったことから、北京では微小粒子状物質「PM2.5」の観測情報の公開が始まった。
上海代表団のYan Chengzhong氏は、
「PM2.5の情報公開前には議論が交わされた。
大気の情報を公開することで、社会が混乱すると考えた人もいた」
と香港の新聞に説明。
「ただ、こういった事態は起こっていない。
『知らないこと』だけがパニックを引き起こす」
と述べた。
■<代償伴う異議申し立て>
中国政府への異議申し立ては時に代償を伴う。
東部の浙江省の村で農業を営むChen Yuqianさん(60)は、約10年間にわたって土壌・水質汚染に抗議の声を上げてきた。
この間、地元当局者の責任を追及してきたChenさんは、5回殴られたと打ち明けた。
2月20日、Chenさんは中国版ツイッター「微博」で、
汚染した川を泳げば30万人民元(約460万円)の報酬を地元当局者に与えると挑戦状をたたきつけた。
Chenさんによると、その4日後、棒や岩などを手にした十数人が自宅に押し入り、物を壊していったという。
Chenさんは
「彼らは私に異議申し立てをやめさせ、汚染情報をこれ以上流させないために脅している」
と語気を強めた。
Chenさんが住む村を管轄する地域の共産党書記は、ロイターの電話取材に襲撃犯との関連はないとし、襲撃事件は隣人との土地トラブルに関連していると主張した。
(原文執筆:Sui-Lee Wee記者、Adam Jourdan記者、翻訳:野村宏之、編集:梅川崇)
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【中国海軍射撃用レーダー照射】