●15日、中国・北京市で開催中の全国人民代表大会で新しい首相などを決める選挙が行われた。温家宝氏に代わり、李克強副首相が新首相として選出された。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年3月15日 16時57分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70332&type=0
習・李体制は前政権時代より安定、改革は進まず?―香港紙
2013年3月14日、習近平(シー・ジンピン)総書記が胡錦濤(フー・ジンタオ)氏の後任として新たな国家主席に選出されたが、習近平氏と李克強(リー・カーチアン)氏の「習・李体制」は胡錦濤氏と温家宝(ウェン・ジアバオ)氏の「胡・温体制」よりも安定するとの見方が出ている。
香港経済日報が伝えた。
中国の政治学者・呉稼祥(ウー・ジアシアン)氏は、政府上層部の人材について習・李体制が優勢だと指摘しており、同じく章立凡(ジャン・リーファン)氏も胡・温体制は江沢民(ジアン・ザーミン)氏など旧世代の干渉から有利に政治を運べなかったが、
元老である父を持つ習近平氏には太子党勢力が控えており、また地方派閥の影響力が衰えたこともあって習・李体制は胡・温体制よりも安定した立場を築くとみている。
新指導部は全面的な権力を掌握することになるが、前期5年間は過去との調整を図る過渡期にあたるとされ、
後期5年についても
「一定の期間が経過すれば利害関係から改革は難しくなる」
と、改革面では悲観的な見方も出ている。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年3月15日 11時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70330&type=0
李克強氏を首相に選出、習・李体制の新政権発足へ―中国
2013年3月15日、中国・北京市で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で新しい首相などを決める選挙が行われた。
温家宝(ウェン・ジアバオ)氏に代わり、李克強(リー・カーチアン)副首相が新首相として選出された。
新華社、人民日報など各主要メディアが伝えた。
前日の14日には胡錦濤(フー・ジンタオ)氏に代わり、習近平(シー・ジンピン)共産党総書記が新国家主席に選出された。
また、翌16日には、副首相や国務委員など閣僚陣が決定し、習近平政権が名実ともに正式発足することとなる。
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ロイター 2013年 03月 17日 15:02 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92G00L20130317
中国全人代、李克強首相の会見要旨
[北京 17日 ロイター] 中国の李克強首相は17日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕日にあたり記者会見した。発言要旨は以下の通り。
■<既得権への切り込み>
改革に向けて、われわれは未知の領域に踏み出さなくてはならなくなると語ってきた。
持ち越されているいくつかの問題に取り組まなくてはならないかもしれない。
なぜなら、既得権に切り込まなくてはならないからだ。
既得権に切り込むことは、時に精神に切り込むよりも難しいのかもしれないが、水深がいかに深くても果敢に取り組むだろう。
これは他に選択肢がないからであり、改革はわが国や人民の将来にとって重要だ。
改革を追求するにあたって、われわれには勇気や知恵、不屈の精神が必要だが、これらは人民から得ることができ、着実に改革を進めることができるだろう。
■<所得再分配>
われわれは人民の幸福を追求する。
そのためには所得分配システムを改革する必要がある。都市と農村、地域間という中国社会の2大格差に取り組む必要がある。
特に8億人超の農村住民、5億人超の都市住民が関係する前者の格差に取り組む必要がある。この格差を徐々に縮小するため、われわれは行動をとる必要がある。
また、社会保障制度の改革を進める必要がある。
社会保障基金の運用水準を引き上げ、医療、養老保険の面で人民が恩恵を受け、現在の居住地に口座を移転できるように徐々に取り組むべきだ。
これにより、中国内における労働者の移動が容易になるだろう。
われわれは社会的公正を促進する改革を追求する必要がある。
社会的公正を妨げる規制は見直し、廃止する。
それによってルールの透明性が高まり、隠されたルールをしのぐことにつながる。
同時に、民間資本がよりスムーズかつ効果的に金融やエネルギー、鉄道といったセクターに参入することを認めるだろう。
前向きな人口の移動性を促進するため、社会セクターにおける改革を追求する。
中国のいくつかの大学では、農村出身学生の割合が相当低い。
努力家の農村出身学生の希望に沿うよう、徐々にその割合を引き上げる必要がある。
■<経済改革>
わたしが時折語っているように、改革は中国に最大限の恩恵をもたらす。
われわれの社会主義市場経済は依然として改善の余地があり、改革を通じて生産性を一段と解き放つ余地があるほか、改革の恩恵が人民全体に行きわたる可能性が高いためだ。
改革を進める中で、重要なのは行動をとることだ。
議論ばかりで進まないのは良くない。市場志向型の改革が必要だ。わたしの政府では3つの優先項目を掲げた。
これらを考慮し、われわれは早急かつシステミックなインパクトがある改革領域を選択する。
経済構造改革も追求する。
財政、金融、価格決定、その他の政策手段を最大限活用するほか、予算制度の改革を進め、一段とオープンで透明性が高く、標準化され、包括的な制度をつくる。
金融分野では、金利や為替で市場志向型の改革を追求する。
重層的な資本市場を構築し、直接金融の割合を高める。
投資家、特に中小規模の投資家の権利や利益を法的に保護する。
また、開放を通じて経済構造改革を進める。重要なのはサービス分野の一段の開放だ。
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日本経済新聞 2013/3/17 19:35
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1701C_X10C13A3FF2000/
李首相、「改革を堅持」 尖閣は言及なし
【北京=大越匡洋】中国の李克強首相は17日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕後、北京の人民大会堂で首相就任後初の記者会見を開き、
最重要の政策課題に「経済発展の持続」を挙げ、「市場化に向けた改革の方向性を堅持する」と強調した。
「改革は利権構造に切り込む正念場に入った」とも述べ、格差の縮小などに取り組む方針を示した。
李首相は、2020年の国民所得を10年比で倍増させる目標の実現に必要な年平均7%の経済成長について「容易ではない」と指摘。
内需主導の経済への転換に向けて
「改革は困難でも進む以外に道はない。
国家の命運と民族の前途がかかっている」
と意気込んだ。
「市場にできることは市場に任せる」として、約1700ある政府の許認可のうち「3分の1以上を減らす」と表明。
「金利や為替の市場化を進める」とも述べた。
李氏自身が「行動が重要」と語ったように、国有企業など既得権益層の抵抗を抑え、改革を実行できるかどうかが課題となる。
外交問題を巡っては
「中国は覇権を唱えない。
平和的な発展の道を行く決意は変わらない」
と述べる一方、
「国家主権と領土保全を守る意思も揺るがない」
と強調した。
ただ日本メディアに質問の機会はなく、日本への言及もなかった。
沖縄県・尖閣諸島や北朝鮮情勢など、周辺国との摩擦が生じやすい微妙な話題を避けた格好となった。
資料に頼らずに応答した約1時間45分の会見の大半は、都市化の推進など内政問題に費やされた。
「廉潔」「法治」を重視すると語ったが、政治改革に関する踏み込んだ発言はなかった。
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どうも、あまり期待はされていないようである。
安定はしているが、大掛かりなことは何もできない、といったところのようである。
目先の問題を片付けるだけで精一杯で、大きなビジョンを描くには、時期が悪いということであろうか。
それは同時に「劣化していく中国」を見つめるだけになってしまう、ということでもある。
いまの中国は根本的に作りなおさない限り、明日が見えてこないような状態になってきている。
しかし、いまの指導部ではそれはできまい。
言い換えれば「共産党の貴族政治」になっているからだ。
中国にはソビエトを揺り動かしたようなゴルバチョフは出てこないだろう。
ここまで、おかしくなってしまったら、残るは自壊によるしかない。
【中国海軍射撃用レーダー照射】