2013年2月11日月曜日

日本の領空と防空識別圏




● 日本の領空と防空識別圏



サーチナニュース 2013/02/11(月) 08:03
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0211&f=politics_0211_001.shtml

日本の防空識別圏は、わが国の領海をも範囲に=中国人識者

  中国人民解放軍国防大学の李大光教授はこのほど、
 「日本は一方的に東シナ海の上空に防空識別圏を設定している」
と主張した。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

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  防空識別圏とは、一国が空中防御の需要に基づき定める空中早期警戒範囲であり、軍の迅速な対応に役立てられる。
 一般的に、不明機が防空識別圏内に入った場合、関連国は戦闘機を緊急発進させ、パイロットの目視で識別し、かつ近距離追跡を維持する。

  しかし目標物が当該国の領空に入るまでは、着陸の強制や撃墜などの措置を講じる権利はない。
 これを行った場合、国際法に著しく背くことになる。
 防空識別圏は1つの防御措置に過ぎず、国際法における主権の範疇(はんちゅう)に属さず、拘束力を持たない。
 防空識別圏は他国の安全を脅かしてはならず、他国の領空を侵犯してはならない。

  日本は現在、一方的に東シナ海の上空に防空識別圏を設定している。
 日本の防空識別圏は東経125度以南を進み、北緯30度を経てから北緯25度・東経120度の方角(南西の方角)に向かい、東経123度に達してから真南に折れる。

  うち中国にもっとも近い空域は、浙江省の海岸から約130キロしか離れていない。
 これには尖閣諸島(中国名:釣魚島)が含まれるばかりか、日本が自ら主張する東シナ海の中間線を越えており、中国が東シナ海に持つすべてのガス田を収めている。

 中国の航空機は本国の近海、東シナ海の排他的経済水域の上空を正常飛行したとしても、日本の定める防空識別圏に「侵入」したことにされる。
 しかも日本の防空識別圏の北西部は、ロシアの海岸からわずか50キロしか離れていない。

  日本が防空識別圏をこれほど広く定め、隣国の排他的経済水域に深入りしていることは、まぎれもなく極めて不適切なことだ。
 中国、ロシアなどの隣国はこれまで、日本の防空識別圏を認めたことはない。

  ところが日本は航空自衛隊・海上自衛隊を利用し、広範囲の立体巡視空間を形成し、いわゆる「実効支配」を行っている。
 その過程において、隣国との間に多くの摩擦が生じた。
 2012年を例とすると、日本は中国機を対象に約150回のスクランブルを行っており、ロシアに対するスクランブルは250回を超えた。

  中国は防空識別圏を設定していないが、中国機は係争の存在しない海域の上空を飛行している際に、敵対的な近距離追跡・監視を受けている。
 これは絶対に受け入れられないことだ。


 中国海軍による射撃管制用レーダー事件の次に起こりそうなのは、航空機による事件である。
 海軍のレーダー・ロックオンに刺激されて「オレも」ということにもなりかねない。
 ただ、ジェット機などでは射撃レーダーのロオクオンは、その瞬間に撃墜行為に進む可能性があるので、迂闊にはマネできない。
 ロックオンしてすぐに相手を叩けばいいが、一瞬の迷いやためらいは攻撃の時間を与え、次には自機が標的として撃ち落とされている可能性がある。
 よって、海軍のマネみたいなことはできない。
 とすると空軍は自己の存在感をどんな形で示そうとするだろうか。
 近寄るたびに、自衛隊のスクランブルを受けているのでは、自衛隊の訓練演習に参加して、ただ自衛隊の能力向上に積極的に協力しているだけになる。
 そこで、ちょっとした顕示意識にかられて、何かささやかな動きをするかもしれないが、しかし、それによってお宝のジェット戦闘機を撃墜されたのでは、身も蓋もない。
 解放軍空軍は、おそらく海軍より慎重に動くだろうと思われる。
 というより、尖閣問題などはやめてほしいというのが本音ではないだろうか。
空軍はどの国にあってもエリート集団であり、国際的な範囲に忠実で、思考意識も危険な民族主義よりもインターナショナルである。
 もし、その空軍が危険行為を犯しにきたら、戦争は近いとみて間違いないだろう。
 制空権を握り続けるということは不可能と分かっていても、戦闘行為に入いらざるを得ない圧力がかかってきているということである。

 ついでなので領海等の図を載せておく。