2013年2月18日月曜日

韓国紙・朝鮮日報「中国の大気汚染を弁護する」?:市民の無力感、恐怖、怒り

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●15日、韓国紙・朝鮮日報は記事「中国の大気汚染を弁護する」を掲載した。中国の深刻な大気汚染が話題となっているが、そのおかげで世界は安価な中国製品を享受していると説いている。写真は15日、華東地区を覆った濃霧と大気汚染。



レコードチャイナ 配信日時:2013年2月18日 21時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69489&type=0

中国人は汚染対策をせずに安価な製品を作りだす、世界の人々はそれを享受する―韓国紙

 2013年2月15日、韓国紙・朝鮮日報は記事
 「中国の大気汚染を弁護する」
を掲載した。17日、環球時報が伝えた。

 今年1月から中国の広い範囲で濃霧と大気汚染がたびたび観測されている。
 北京では視界が200メートルを割り込むことすらあったほどだ。
 そして中国の大気汚染は偏西風に乗って韓国へと飛来している。
 ある研究によると、韓国の空気中の微少な浮遊物質の3分の1は中国由来だという。
 問題は韓国にとどまらない。今や中国の汚染は全世界に拡散しつつある。
 中国の二酸化炭素排出量は全世界の4分の1、米国の1.5倍に相当する。

 だが環球問題では“劣悪”とのレッテルをはられてしまった中国だが、別の視点から見ることも必要だろう。
 今や世界のスーパーで中国製品を置いていない店など存在しない。
 すなわち中国が汚染対策をせずに安い製品を作り出すことで世界の人々は恩恵を受けているのだ
 もちろん汚染で一番苦しんでいるのは中国の人々である。

 深刻な汚染に苦しむ中国だが、いつまでもこの状況にはいない。
 韓国もそうだった。1980年代後期、衣食に苦しまない程度の成長を実現した後に環境問題に関心が集まった。
 先進国の失敗と努力を見ているだけに、後から追いかける途上国は対策をとりやすいという面もある。

 中国は今冬、汚染の数値を発表するという重大な変化を見せた。
 思うに今の中国は1980年代の韓国とよく似ている。
 今後、環境保護運動が活発になっていき、中国も環境保護に取り組み、その目的を実現することだろう。


 上の記事によると朝鮮日報15日版に「中国の大気汚染を弁護する」という記事があるらしい。
 日本語版では見つからなかった。
 その代わりに出てきたのが下の記事。
 内容的には似通っており、18日版になっている。


サーチナニュース 2013/02/18(月) 10:00
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0218&f=national_0218_009.shtml

中国の汚染濃霧にも理由、環境と技術の分業=韓国報道

  中国網日本語版(チャイナネット)によれば、韓国紙・朝鮮日報は15日、
 「中国の汚染濃霧にも理由がある」
と主張した。以下は同記事より。

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  中国の多くの都市は汚染濃霧に頭を抱えており、北京では可視度200メートル以下の日もある。
 汚染濃霧は偏西風に乗って海を越え、韓国にも到達している。
 韓国の空気中の粉塵(ふんじん)の3分の1は中国由来であることが研究で明らかになっている。

  中国の公害は世界規模で拡散している。
 中国の二酸化炭素排出量は世界の4分の1、米国の1.5倍に相当する。
 環境保護分野で中国には劣悪という烙印が押されてしまった。

  しかし、世界広しといえどメード・イン・チャイナを置いていないスーパーマーケットは皆無だ。
 安価な労働力とゆるい環境規制によって、
 中国製品はまさしく世界中で価格競争力を維持してきた。
 中国の労働者の賃金コストが先進国のレベルに追いつき、自動車の排出ガス規制やガソリンの精油基準が厳格になれば、
 このように安価な中国製品の恩恵にあずかることはできなくなる。

  ここで考えるべきなのは、ゆるい環境政策で直接苦しんでいるのは中国人であることだ。
 工場周辺に住む人びとが受けている公害の危険性に比べれば、都市生活者の生活環境はたいしたことはない。

  同様に中国人が汚染濃霧で苦しんでいるおかげで、先進国の人びとは清潔な空気のなかで安価な製品をたんまりと享受できる。
 これも環境と技術の分業だろう。

  中国がこのままローテク、高汚染の現段階に停滞し続けることはない。
 米国の心理学者であるアブラハム・マズローが唱えた欲求階層説によれば、人間は基本的な欲求を満足すると、次の段階を求めるようになる。

  韓国も1980年代後半、衣食住の問題がほぼ解決をみた後、続々と環境保護団体が出現して「環境法」の基礎が確立された。
 経済発展がある程度まで進むと、人間は自然と環境問題に関心が向くようになり、環境分野に投資するようになるのだ。
 だから「裕福になるほど衛生的になる」と言えるのだろう。

  現在、中国は先進国に追いつき、先進国がたどった誤りを繰り返すことなく発展の道を模索できる。
 言い換えれば、中国は先進国がすでに淘汰(とうた)したような古い技術を使う必要はなく、まったく新しい先端技術を利用できる。
 たとえば日本がごみ焼却による汚染問題で困ったことがあったが、のちに韓国は先端技術を使ってその危機を回避できた。
 今、中国はまさにこの「後続者」の位置にいる。

  2013年の冬、韓国は中国政府の濃霧問題に対する対応の変化を目のあたりにした。
 彼らはリアルタイムで汚染指数を公開した。
 現在の中国の環境は1980年代の韓国に似ている。
 環境保護運動の高まりとともに環境への投資も徐々に増える。
 中国は早晩、環境改善の方向を見定め、最終目標を実現するだろう。


註].「日本がごみ焼却による汚染問題で困ったことがあったが、のちに韓国は先端技術を使ってその危機を回避できた」そうであるが、これ何のことだろう。聞いたことがないのだが。

 中国の発展経済をさせたものが
①.安価な労働力
②.ゆるい環境規制
とであったことは確かだろう。
 では、労働力が高くなり、規制が強化されたら、いまのような経済発展を維持できるのであろうか。
 もし維持することが困難だとしたら、無理に無理を重ねてきた中国だけに、何処へいくのだろうか。


レコードチャイナ 配信日時:2013年2月18日 20時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69529&type=0

大気汚染に対する市民の無力感、中国政府への怒りと要求に変化―英紙


●18日、北京の大気汚染は健康被害を生むにとどまらず、経済成長を優先した政府に対する市民の不満になっている。写真は17日、旧正月連休後、再びスモッグに覆われた北京。

 2013年2月18日、英紙オブザーバーは
 「世紀末的な大気汚染に苦しむ中国」
と題する記事を掲載し、大気汚染は健康被害を生むにとどまらず、
 経済成長を優先した政府に対する市民の不満になっていると指摘した。
 市民の無力感は恐怖、怒り、社会変化への要求に変化している。

 「世紀末的な大気汚染」とは、決して大げさな表現ではない。
 北京の大気汚染指数は世界保健機関(WHO)安全基準の30倍に達し、航空便の欠航や道路の通行止めも相次いでいる。
 ある医院には呼吸器系疾患の患者が数百人殺到し、北京の空気は「空港の喫煙ルームより汚い」とさえいわれている。

 大気汚染は健康被害を生むにとどまらず、経済成長を優先した政府に対する市民の不満を生んでいる。
 市民の無力感は恐怖、怒り、社会変化への要求に変化している。
 春節(旧正月)連休は澄んだ空気を求め、900万台前後の車が北京を脱出。
 年越しに付き物の爆竹も、空気を汚すため例年より4割近く販売量が減った。

 北京市当局は大気汚染緩和に向け、さまざまな対策を講じている。
 しかし、米カリフォルニア州立大の中国環境問題専門家は
 「問題解決には時間がかかるだろう。北京だけでなく周辺市町村の協力も必要だ」
と指摘する。
 しかし、農村地帯ではまだ石炭暖房が一般的で、環境基準達成は難しそうだ。




●NHKニュース




【中国海軍射撃用レーダー照射】


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