●アジア諸国で人口増加が最も長く続くのはフィリピン(2077年まで)、マレーシア(2063年)、インド(2052年)。他の多くの東南アジア諸国も、インドネシア(2036年)、ミャンマー(2034年)、ヴェトナム(2033年)と、北東アジアに比べれば好ましい人口動態が予測されている。
つまり人がいないわけではない。
人間はいくらでもいる。
ただ労働力のパイを大きくすると、お金がかかるということだけのようである。
『
レコードチャイナ 配信日時:2013年2月11日 18時18分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69318&type=0
中国はいかにして労働力不足に備えるか―米メディア
2012年2月6日、米CNN(電子版)は「中国はいかにして来るべき労働力不足に備えるか?」とする文章を掲載。8日付で環球時報が伝えた。以下はその内容。
つい最近まで、西側企業にとって中国メーカーは労働力を武器とする低価格生産の代表だった。
しかし中国の人口構成が急速に変化していくに伴い、今後20年で中国の労働供給力は急速に低下するとみられる。
これからは今のような低価格で世界市場に商品を供給することはできなくなるだろう。
現在の一人っ子政策のもとでは、将来の労働力不足は明らかだ。
①.人数が足りなければ質を上げれば良いという考えもある。
だが、中国人が受ける教育の平均年数は7.5年に過ぎず、他の開発途上国に比べて低い水準にある。
②.退職年齢を遅らせるという方法もあるが、長期的にはかえって若者の失業率を増やす恐れがある。
③.最終的には、中国政府は戸籍制度を改革し、
農村から都市への流入制限をなくし、労働力市場の効率を高める必要があるだろう。
ただし、多くの地方政府は医療や教育などの負担増を嫌い、戸籍制度改革に反対の姿勢をとっている。
真の解決には中央政府による大きな政治的決断が必要とされる。
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つまり、「労働力がない」ということではない。
都市底辺にうごめくいわゆる「ネズミ族」は2億人いる。
労働力は腐るほどある。
ただ、それを正規市民するにはお金がかかる、ということである。
さらに言えば、ネズミ族に市民権(都市戸籍)をあたえれば、これは即、正当な反政府集団になりうる。
つまり、弾圧できなくなる。
だから、都市戸籍の取得を制限することで、ネズミ族をコントロールし、反政府組織に転化するのを防ごうというわけである。
ネズミ族とは言い換えれば中国社会の従順な「ドレイ」みたいなものである。
ドレイは人権のカウントに入らない、ということであろうか。
『
レコードチャイナ 配信日時:2013年2月14日 15時58分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69416&type=0
「中国に貧民街はない」、虚栄心の背後に政府の人権無視―米メディア
2013年2月12日、米ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によれば、「中国の都市に貧民街などない」という言説について、ニューヨーク在住の中国人エコノミスト・何清漣(ホー・チンリエン)氏が「それは真実ではない」とするコラムを寄稿した。
その背後には、クリーンな都市のイメージを維持するために農民から居住や移転の自由を奪うなど、中国政府が虚栄心のために人権を尊重していない現実があるという。
2011年4月に北京で開催された「中国・ASEAN都市交流・協力シンポジウム」において、マレーシア代表が中国の都市の清潔さに感嘆したという。
そして、中国発展改革委員会の責任者に
「中国の都市にはなぜ貧民街がないのか?」
と尋ねたところ、
「ブラジルやインドのような大都市のスラムが形成されることを中国政府は望んでいない」
と話した。
「農村出身者は自由に都市部へ転居できないようになっている。
都市部で就労はできても、都市住民と同じ公共サービスは受けられないようにしている」
と答えたという。
中国政府による統計データは確認できないが、国連の「世界都市白書2010/2011」によれば、
中国都市部における貧民街居住者の割合は、 2000年~2010年の10年間で37.3%から28.2%に減少している。
人口の絶対数による計算では、貧民街に住む人は3億8400万人いることになる。
都市経済は農村のあらゆる資源を取り込んでいる。
2億5000万人に上る農村人口が労働人材として都市部へ出て、その多くが工場や建設現場での労働に従事している。
そのうち2000万人がゴミ拾いの底辺の労働などをして生きているという。
彼らの居住環境は劣悪で、多くがタコ部屋暮らし。
故郷の家族と離れ、孤独と差別の中で生活しており、
「ブラジルやインドの貧民街で生活している人たちよりも非人道的な境遇に置かれている」
と指摘する人もいるという。
』
『
IB Times 2013年2月22日 10時11分 更新 記者:MORAN ZHANG 翻訳者:橋本あかね
http://jp.ibtimes.com/articles/40908/20130222/75791.htm
アジアの人口動態が米国の製造業ルネッサンスを呼ぶか
「安いアジア」の終焉は、徐々にではあっても確実に近づいている。
それは、外注されていた米国の製造業の雇用のかなりの部分が、米国内に戻ってくることを意味する。
つい最近まで、アジアからの輸出によって欧米の顧客たちは安価な商品を提供され、多国籍企業は利潤を得てきた。
同時に、急速な工業化は、アジアの国々が欧米に追い付き、若者たちを貧困から掬い上げるのを助けた。
東アジアの豊富な人口とそのグローバルな生産チェーンへの組み込みの上に成り立っていたこの繁栄の源は、常に先細りに向かっていた、とHSBCのジュリア・ワン(Julia Wang)氏は指摘する。
しかし、その終わりは、多くの人の予想より早くなりそうだ。
中国の労働力人口は昨年ピークを迎えた。
この30年間世界経済に提供されてきた中国の労働余剰に終わりが訪れたわけだ。
中国の国家統計局は、かつては15歳から64歳までのすべての人を労働力人口と算出してきた。
この年齢幅は国際慣習と、中国自身の統計年鑑に基づくものだ。
しかし昨年の労働力人口の減少発表のなかで、中国国家統計局はこの定義を狭め、15歳から59歳までとした。
このことによって、15歳から64歳の人口、ひいては人口全体にも早晩起こる人口動態の失速に注意喚起を行ったのだ。
中国国家統計局は1月、同国の労働力人口が昨年、近年では初めて減少したと発表した。
12月末時点で中国の15 歳から59歳のあいだの人口は9億3727万人で、2011年より345万人縮小している。これは中国のみならず、アジアや世界の人口動態の大きなターニングポイントを画するものだ。
そして、この転換点は予測より3年早く訪れた。
多くの人口統計学者は、ピークは2015年としていたからだ。
「中国労働力の縮小が外国直接投資(FDI)流入減少を招くならば、米国の製造業のルネッサンスはより現実的なものとなります。
中国をはじめとする北東アジアの労働力が減少し始めたため、これからの10年において、安価な労働力は希少資源となるかもしれません」
とバンクオブアメリカ・メリルリンチの東南アジアエコノミスト、Chua Hak Bin氏は言う。
中国への外国直接投資は2012年、世界金融危機の2009年以降初めて減少に転じた。
中国商務部の発表によれば、世界第二の経済大国へのFDI総額は昨年1117億ドルで、対前年比3.7%の減少となっている。
人口動態は通常、ゆっくりと変化する。
このため、中国や北東アジアの人口の配当が減少しても、少なくとももうしばらくの間は、東南アジアやインドがそれを享受し続けることになる。
アジア諸国で人口増加が最も長く続くのは
フィリピン(2077年まで)、マレーシア(2063 年)、インド(2052年)。
他の多くの東南アジア諸国も、
インドネシア(2036年)、ミャンマー(2034年)、ヴェトナム(2033年)と、北東アジアに比べれば好ましい人口動態が予測されている。
バンクオブアメリカ・メリルリンチは、ASEAN7(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポール、ヴェトナム、ミャンマー)の労働力人口も、2042年に4億7200万人(現在は3億9000万人)でピークを迎えると予測している。
ASEAN経済は、この人口動態の違いも手伝って、FDIの規模ではすでに中国に追いつきつつある。
この記事は、米国版International Business Timesの記事をに日本向けに抄訳したものです。
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【中国海軍射撃用レーダー照射】