●米外交筋は、沖縄県の尖閣諸島をめぐる日中間の対立が軍事衝突にエスカレートすることは米国の経済利益への脅威と見ていることを、米政府が両国に明確に伝えていると指摘、「自制を強く求めた」ことを明らかにした。資料写真。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年2月12日 7時53分
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<尖閣問題>
米国、日中両国に「自制」を強く要求
=「軍事衝突は米経済利益への脅威」―米外交筋
2013年2月12日、沖縄県の尖閣諸島をめぐる日中間の対立が長期化しているが、米外交筋は、この紛争が軍事衝突にエスカレートすることは米国の経済利益への脅威と見ていることを、米政府が両国に明確に伝えていると指摘、
「自制を強く求めた」
ことを明らかにした。
安倍首相と習近平総書記のリスク抑制意向によって、これ以上の事態の緊迫化は回避されていく、と分析している。
米外交筋の発言要旨は次の通り。
安倍首相が習総書記宛ての親書で「首脳会談」を呼びかけた。
中国の立場は
「領土問題の存在を明確に認めることから始まる」
というものだが、日本はこれを認めていない。
しかし、中国政府が首脳会談を望むなら安倍親書は日中対話の第一歩となることは確かだ。
米国政府には北京から
「中国の指導部は国内の反日感情を抑制し、現在の緊張を緩和したい」
という意向が送られてきている。
中国指導部が尖閣国有化前の状態で現状維持を望んでいるのは明白である。
しかし、中国軍部内では、中国の領土主権を明らかにして、海上で戦う姿勢を取ることを基本とすることも論議している。
米国は主権問題についての明確な立場を取らないでいるが、日中両国に2度にわたって高官を派遣。
オバマ政権としては、この問題に無関心ではいられず、この紛争が軍事衝突に拡大することは米国の経済利益への脅威と見ている旨を両国に明確に伝え、自制を強く求めた。
重要なことは、尖閣めぐる紛争は米国の戦略的・地政学的な利害に影響する問題ということだ。
これは日韓との地域安全保障関係にも深刻な影響を与えかねない。
日本の主張をさらに強く支援するように米国に過度に迫ることは危険である。
中国の指導層は時として中国の要求を強硬に主張することがあり、
尖閣問題についても「現状維持」では不十分として、
主権の完全な承認を押しつけて来た場合にリスクが永続的になる
と懸念している。
よって、日本と中国が米国の軍事行動を招くような形で地域的な安定を損なうような決定を行うリスクを抑制していることが重要だ。
危険なことは、命令系統の下の方のレベルで何かが起こり、それが連鎖反応を呼び、制御不能に陥ることである。
安倍首相の親書と中国指導部のリスク抑制意向によって、紛争のこれ以上の拡大は回避されていくだろう。
しかし、中国の新指導部は時に中国の要求を強硬に主張することがあり、
尖閣問題についても現状維持 領有権主張の先延ばしでは不十分で、主権の完全な承認を押しつけて来た場合にリスクが永続的になると言わざるを得ない。
冷戦時代に米ソ間であった「海上における紛争処理の覚書」や「ホットライン」がない以上、手違いから軍事衝突が起きやすく、重大事に陥る危険がある。
一刻も早く偶発的なアクシデントを防ぐ方策を構築すべきだ。
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レーダー照射という行為を解放軍が単独でやったことで、中国内部で機関の齟齬が存在していることがわかった。
実際にはこの海軍の勇み足を除けば、中国は何らの軍事行動を起こしていない。
せいぜいのところ「巡視船の鬼ごっこ」遊びを愉しんでいるに過ぎない。
それに対して日本は、アメリカと共同で離島奪回作戦の演習をやったり、スクランブル発進をこまめに実行している。
基本的に中国には開戦状態にまでもっていく意思はない。
というよりできない。
共産党と解放軍の間には隙間風が流れているようだし、国内には山のような案件を抱えている。
コントロールもできない開放軍を動かして、開戦して尖閣諸島を奪回しても、それを長期に保持できる能力はない。
保持できないとなれば、逆に日本に奪回され「この勝負、負け」ということにもなりかねない。
共産党と解放軍がさらに離反するだけである。
長期になればなるほど国内問題が火を噴いてくる。
「負け」となれば、もう国内は手を付けられない状態になる。
このことは中国は充分認識している。
当然、日本も知っている。
そしてアメリカも知っている。
つまり、この勝負は中国に分のないことを皆が知っている。
しかし、いちど振り上げてしまった拳がある。
中国はこれをどうするかである。
三者がこの
「拳の下ろしどころを探っている」
それが今の状態で、
アメリカが圧力をかけてくるのでやむなく
中国は「それこうせざるをえなかった」という言い訳
を作らそうとしている。
「アメリカが、日中両国に「自制」を強く要求」
とは、ウラでそういう意味をもっている。
外交とはそういうものである。
成金意識でつっかかっていったはいいが、後先が見えずになった中国に、
「プライドを傷つけることなく、メンツの立つ手を差し伸べる」
のも世界ナンバーワン国家の仕事でもあるということである。
それが、国際的な外交というものでもある。
しかし、中国政府はコントロールできない軍隊、引かない日本、そしてなにより高まる民族意識によって醸しだされた国内の社会不満の噴出の矛先という危機的な局面に立たされてしまった。
【中国海軍射撃用レーダー照射】