2013年2月20日水曜日

フィリッピンの南シナ海問題の国際仲裁を求める要請、中国が却下

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サーチナニュース 2013/02/20(水) 13:03
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0220&f=politics_0220_007.shtml

比の南シナ海問題の国際仲裁を求める要請、中国が却下

  中国外交部の洪磊報道官は19日、
 「わが国はフィリピンからの南シナ海問題の国際仲裁を求める要請を却下した」
と語った。中国国際放送局が報じた。

  洪報道官はさらに、
 「中国は南沙諸島および周辺海域への領有権に十分な歴史的、法的根拠を有している。
 フィリピン側の国際仲裁を求める書面と付属通知は、事実と法的根拠にも明らかな間違いがあるうえ、中国に対する不実な非難も含まれており、中国は断固反対する」
と主張した。


 これで、尖閣諸島の中国からの国際仲裁要請もなくなった、とみていい。
 つまり、法的切り札はない、ということであろう。
 他に、法的な措置があるとは思えないので。
 日本も中国も「固有の領土」という主張あり、とすれば日本の「実効支配」に分があるということになる。
 やはりこの問題、永久に結論のないものだということだろう。
 だからこそ二国間の関係が緊張状態になり面白くなってくる。
 そして、どちらも軍事手段はとらずに、結論を先送りすることで目をつむるということだろう。
 まあ時々、小競り合いなどしてつむった目をさまして緊張関係を確認することはあるだろうが。



サーチナニュース 2013/02/21(木) 11:00
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0221&f=politics_0221_003.shtml

フィリピンの国際裁判所提訴に中国反発「裁判長は日本人だ!」

  フィリピン外務省は20日、南シナ海の島における中国との領有権争いについて、国際海洋法裁判所に仲裁を求める考えを改めて示した。
 中国政府・外交部の洪磊報道官は同日の記者会見で「はっきりと反対する」と表明。
 中国国営の中国新聞社は、フィリピンの動きを批判する記事中で、同裁判所の裁判長は日本人であり、しかも改憲問題に積極的な人物だと警戒を示した。

  中国とフィリピンは南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)やスカボロー礁(中沙諸島黄岩市間)の領有権を巡り対立している。
 フィリピンはすでに1月、同問題を国際司法機関にゆだねる考えを明らかにしていた。

  フィリピン外務相は20日、同問題について国際海洋法裁判所に仲裁を求める考えを改めて示し、
 「中国が加わっても加わらなくとも、提訴の手続きを進める」、
 「手続きは21日に始める」、
 「わが国は3、4年の時間をかけて提訴の結論を出すつもりだ」
と。

  中国外交部の洪報道官は、
 「フィリピンは南シナ海行動宣言の署名国であり、同宣言を全面的に真摯(しんし)に実行するとの宣言を受け入れた」
ことを理由として、領有権を巡る問題を国際司法機関にゆだねることに「はっきりと反対する」などと述べた。

  南シナ海行動宣言は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が2002年に交わした承諾事項で、南シナ海における領有問題を国際法の原則にもとづき、平和的手段で解決することを謳(うた)っている。
 同宣言には紛争の複雑化を自制する内容も盛り込まれている。
 洪報道官の発言では、フィリピンが問題を国際司法機関のゆだねることが、南シナ海行動宣言のどの部分と「矛盾」するかは示されなかった。

  中国新聞社はフィリピンの動きを批判する記事中で、同裁判所の裁判長は日本人の柳井俊二氏であることを強調した。
 柳井氏は中央大学法科大学院教授(国際法)で、駐米大使の経験もある。
 2005年に国際海洋裁判所判事に就任し、11年には裁判長に選出された。

  中国新聞社は柳井氏を、安倍晋三首相が07年に集団自衛権に関連する改憲問題についての私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の座長を務めたとして批判的論調で紹介した。

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◆解説◆
  中国メディア、とりわけ国営や共産党関連のメディアの政治的論調は、当局の意向が反映されて当たり前と考えてよい。
 領土問題については、どの国の政府も「自国の言い分は完全に正しい」と主張するものだが、
 報道が統制下にある中国では、国際司法裁判所への訴えを自国政府が拒絶したとなれば、
 一般大衆の間で自国政府の従来からの主張に対する疑念が生じるリスクが大きい。

  国際司法機関の責任者が領土問題で中国と対立する日本人との説明は、提訴を拒絶ことについて、中国政府の威信を保つための“うってつけ”のイメージ戦術と解釈することができる。

  また、中国人の間では国際法などに対する不信感も根強い。
 「帝国主義の時代から、欧米列強が自らの都合のよいように定めたルール」
との認識があるためだ。
 国際法の歴史的形成の過程をみれば、「列強のためのルール」との見方にも一理あるが、
 国力が十分に向上した中国に“被虐的歴史観”がいつまでも残ったのでは、国際社会との「物の見方の齟齬(そご)」がさらに拡大する恐れもある。




サーチナニュース 2013/04/24(水) 12:28 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0424&f=politics_0424_011.shtml

領土問題「中国には国際法廷の結論に従わない権利ある」=新華社

  新華社は23日付で、フィリピンが1月、南シナ海の島についても領有権を巡り、国連海洋法条約にもとづき仲裁裁判所に中国を提訴した件について、
 「中国はこの種の問題で国際的仲裁の拘束を受けない権利がある」
と紹介する記事を発表した。

  中国は提訴に応じないため、フィリピンは国際海洋法裁判所に対して中国に代わり仲裁人5人をを指名するよう要請した。
 国際海洋法裁判所側もフィリピンの求めに応じたため、仲裁人は早ければ4月28日にも決まると見られている。

  仲裁人が決まれば、仲裁裁判所は手続きにかんする審議、フィリピンの提訴内容にかんする審議を進めることになる。
 国連海洋法条約によると、仲裁裁判所の結論は、強制力を持つ。

  中国国家海洋局戦略研究所の張海文研究員によると、フィリピンの提訴には「領土の帰属」、「海洋における境界線」、「歴史的な所有権」、「軍事利益など海洋における争いの問題」が含まれている。
 これらの内容について中国は2006年に国連海洋法条約第298特別規定にもとづき、国連事務局長宛に「強制的仲裁の制約を受けない」との声明を国連事務総長宛に提出した。

  したがって中国は、フィリピンの提訴した問題について仲介裁判所が示した判断に拘束されない権利があるという。

  記事は
 「中国政府は長期にわたり、領土にかんする争議は、双方の交渉を通じて平和に解決することを堅持してきた」
と主張した。

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◆解説◆
  国営・新華社の上記記事は、同裁判で中国に不利な結論が出た場合、
 「従う意思がない」を示唆したものと考えてよい。
 ただし、従わなかった場合に中国に対する不信感が高まるのは必至で、中国外交にとって厳しい局面になることは、変わりない。

  中国では、国際海洋裁判所の裁判長が日本人の柳井俊二氏であり、柳井氏が安倍晋三首相が07年に集団自衛権に関連する改憲問題についての私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の座長を務めたことなどから、中国に不利な決定をするとの見方も出ている。

  一方でこのところ、さまざまな国際機関の主要なポストに中国人が就任する例が多くなっている。




【中国海軍射撃用レーダー照射】

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