● 2012年8月、尖閣諸島の魚釣島に上陸した日本人の活動家ら
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ウォールストリートジャーナル 2013/02/07 4:34 pm
http://realtime.wsj.com/japan/2013/02/07/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%BB%8D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E7%85%A7%E5%B0%84%E2%80%95%E6%97%A5%E4%B8%AD%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%A4/
中国軍レーダー照射―日中のチキンゲームはいつまで?
尖閣諸島の領有権やガス田開発問題で揺れる東シナ海で、中国海軍のフリゲート艦が先月、海上自衛隊の護衛艦とヘリコプターに対し、射撃用の火器管制レーダーを照射したことが明らかになった。
軍事専門家の間では、ここ数年の日中対立の緊張度が一気に引き上げられたとの見方が多い。
元防衛相補佐官の志方俊之・帝京大学教授はJRTの取材に対し、
「レーダーで相手をロックオンするということは、軍事的に次に100%命中するミサイルが飛んでくることと同じだ」
と指摘、
「インティミデーション(脅し)としてでも度が過ぎている」
と述べた。
志方氏は今回のレーダーの照射がどの政府レベルで決められ、実行されたかに注目する。
同氏は
「政府のトップレベルで決められたのであれば極めて重大で、中国の国際認識や時代認識が間違っている。
一方、現場の艦長が決断して実行したならば、中国のシビリアンコントロールが問われる。
艦長の勇み足だ」
と話した。
そもそも日中の戦後の国交回復の道筋をつけた1972年の日中共同声明と1978年の日中友好条約はともに日中間の
「主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵」
をうたい、互いに
「武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」
と高らかに宣言していた。
■それなのに、なぜ現在のような事態に発展してしまったのか?
日本側からすれば、中国こそが東シナ海のガス田付近や尖閣諸島沖にヘリや監視船を送り込み、日本に圧迫感を与えるような事例を発生させている。
南シナ海の南沙諸島や西沙諸島でも実効支配の動きを強め、フィリピンやベトナムといった国々とも摩擦を引き起こしている。
さらに、2010年9月の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突事件後、レアアースの対日輸出禁止や日本人社員の拘束といった中国の強硬姿勢が日本の警戒感を高めたとも言えるだろう。
しかし、日本に非があると指摘する専門家もいる。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、戦後日中間で棚上げされていた尖閣諸島の領有権をめぐる意見の相違を日本こそが表面化させたと指摘する。
つまり、「尖閣問題」という寝た子を起こしたのは日本だと。
「石原慎太郎前都知事による尖閣購入表明や、日本政府による国有化など、日本側がこれまでの日中間の『ゲームのルール』を変えてきた」
と孫崎氏は話す。
2010年9月に尖閣諸島沖で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した際に、時の菅直人政権は中国船長の逮捕、送検という対応を取り、結果として日中の関係はこじれた。
例えば小泉純一郎政権は2004年に強制退去という措置にとどめている。
孫崎氏は日本側がルールを変え、その後のレアアースの対日輸出禁止といった中国側の強硬姿勢を招いたと指摘する。
また、2012年7月に当時の野田佳彦首相や森本敏防衛相が、いざという事態には尖閣諸島に自衛隊の出動を辞さないと明言したことも、中国にとっては「武力又は武力による威嚇に訴えないこと」とうたう日中共同声明・日中友好条約を日本が骨抜きにしたと受け止めた可能性がある。
古今東西、領土問題がやみくもな愛国主義や偏狭なナショナリズムを一気に燃え上がらせた例は数多い。
テレビや新聞も相手国の言い分を報じたり、自国に不都合な報道をしたりしにくくなってはいないだろうか。
日中のチキンゲームはまだまだ当分、続きそうだ。
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/02/09 08:27
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/09/2013020900278.html
レーダー照射:中国が反論「日本側が捏造した事件」
中国の艦艇が先月19日と30日に、東シナ海で海上自衛隊の艦艇やヘリに射撃管制用レーダーを照射した問題で、中国当局は射撃管制用レーダーの使用を否定し「日本による捏造(ねつぞう)」という反応を示した。
これに対抗して日本政府は、今回の事件についての国際的な広報活動を強化する方針だ。
また日本政府は、交戦規定(ROE)の改正はもちろん、集団的自衛権の導入に関する議論も本格化させる見込みだ。
中国国防省の報道官室は7日夜、中国メディアの事実確認要請に対して「日本側の主張は事実に符合しない」と発表したという。
『新京報』紙が8日に報じた。
さらに中国国防省は「中日両国間に、海上や上空でこうした問題が生ずる根本原因は、中国艦艇に対し日本の艦艇・ヘリが行っている近距離から追跡」と日本側を批判した。
合法的な公海上の演習に対し、日本の艦艇やヘリが近距離から追跡を行ったことが、今回の問題の主な要因というわけだ。
中国外務省の華春瑩報道官も、定例の記者会見で「日本側が捏造した事件。日本側が危機をあおって緊張を作り出し、中国の国際的イメージに泥を塗ろうとしている」と真っ向から反論した。
これに対し、岸田文雄外相は「射撃管制用レーダーの照射に関する発表内容は、防衛省が慎重に分析した結果」と反論した。
防衛省は8日、中国艦艇の射撃管制用レーダーが日本の艦艇に向けられている写真を公開した。
安倍晋三首相は、今回の事件と関連し、自衛隊の武器使用範囲を定めた交戦規則の改正を検討することも指示した。
また安倍首相は8日、集団的自衛権導入を議論するための専門家会議に出席し
「日本を取り巻く安保環境は大きく変化し、日米同盟の責任は重くなっている。
平和と安全を維持するため、日米安保体制の最も効果的な運用を含め何をなすべきか議論してほしい」
と語った。
産経新聞によると、専門家 <<どういうわけだかここで記事が切れる>>
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日本経済新聞 2013/2/9 10:54
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS09009_Z00C13A2MM0000/
中国レーダー照射、写真・映像公開検討 防衛相
小野寺五典防衛相は9日午前の読売テレビ番組で、中国海軍艦艇の海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダー照射を巡り、護衛艦が撮った写真や映像などを
「どこまで表に出していいのか政府部内でいま検討している」
と述べた。
中国側の動きに関しては「(レーダー照射を)公表した5日以降は沖縄県・尖閣諸島周辺の中国公船の動きが収まっている」とも語った。
写真や映像などの証拠データの開示について、防衛省内には
「中国側は証拠自体も『捏造(ねつぞう)だ』などと主張する」
として否定的な声が多い。
ただ、防衛相は
「少なくとも国際社会にこのようなことがあったことは伝える」
と強調。
中国側の反応も見極めつつ、外務・防衛両省を中心に公開できる内容を慎重に検討する方針だ。
中国側は
「照射に使ったのは通常の警戒用管制レーダーであって、火器管制レーダーではない」
と日本政府の発表を否定している。
防衛相はこの主張について
「我々はどのレーダーが火器管制レーダーか分かっている。
それが一定期間ずっと我が方を追いかけていた証拠がある」
と、都内で記者団に語った。
防衛相は尖閣周辺での中国側の動きが沈静化していることに関し
「一番の目的はとにかく紛争を未然に防ぐことだ」
と指摘。
東シナ海などで偶発的な衝突を避けるためのホットライン「海上連絡メカニズム」の早期設置に向け、7日に外交ルートを通じて中国側に交渉再開を申し入れたことも明らかにした。
民主党政権時代にも火器管制レーダーの照射があったかどうかについては
「この事態が発生して過去の事例もあげるよう指示したが、首相に報告して公表するような案件は今回が最初だ」
と述べた。
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【中国海軍射撃用レーダー照射】