2013年2月6日水曜日

公海上での中国海軍による射撃管制用レーダー照射事件(5):中国外交部は事件を知らず



●中国外交部「知らなかった」と表明


jiji.com (2013/02/06-19:52)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013020600686

中国外務省、コメント避ける=レーダー照射「報道で知った」

 【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は6日の記者会見で、中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に射撃用の火器管制レーダーを照射したことについて、
 「われわれも報道で知った。
 具体的な状況は承知しておらず、(別の)関連部署に聞いてほしい」
と述べ、直接的なコメントを避けた。

 日本側がレーダー照射に絡み、中国側に抗議したことについても反論しなかった。
 中国外務省は共産党中央の指示を受けて、レーダー照射問題から距離を置き、外交面での騒動の拡大を抑えようとしているとみられる。
 日本がレーダー照射を発表した意図や今後の出方を警戒し、中国側が慎重な態度に出ているとの見方もある。 

 レーダー照射に関しては、6日付の中国紙朝刊の多くが報道しておらず、報じた一部の新聞も基本的に日本の報道を淡々と伝えるにとどまった。
 6日付の夕刊紙・法制晩報は中国の日本専門家の分析を紹介し、
 「日本が一方的に(レーダー照射の)ニュースを発表したのは、日本が国際的な同情を得ようとしていることの表れだ」
と伝えた。
 この専門家は
 「中日両国はどちらも大規模な衝突を起こしたいという意思は表していない。
 しかし両国は軍事面での一定の準備をしている」
と分析した。



CNN.ニュース 2013.02.06 Wed posted at 19:10 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35027912.html

安倍首相、中国のレーダー照射を「危険な行為」と非難

東京(CNN) 安倍晋三首相は6日、東シナ海で中国の軍艦が海上自衛隊の護衛艦にレーダーを照射したことについて、
 「危険な行為」であり「遺憾だ」
として不快感を表明した。
 首相はこの日の参院本会議で、レーダー照射は
 「不測の事態を招きかねない危険な行為」
だったと指摘。
 中国に対し、事態をエスカレートさせないよう強く自制を求めた。

 レーダー照射が起きたのは1月30日。
 小野寺五典防衛相は5日、同19日にも中国の別の艦艇が海自のヘリコプターにレーダーを照射した疑いがあると説明していた。

 米国務省のヌーランド報道官は5日の記者会見でこの問題に「懸念」を表明し、中国の行為は
 「緊張を高め、不測の事故や判断ミスが起きる危険性を増大させる。
 地域の平和と安定、経済成長を損ねかねない」
と警告した。

 日中間では、東シナ海の尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を巡り緊張が高まっている。




●中国外交部


●JNNニュース 米国務省ヌーランド報道官 


  6日夜9時であるが、中国側の発表はない。
 内部で混乱しているようである。
 ということは解放軍の独走に、共産党が対応できていないというのが一番考えられるのだが。

============
 7日朝
============

スポニチ [ 2013年2月7日 06:00 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/02/07/kiji/K20130207005140900.html

自衛艦へのレーダー照射 中国釈明“軍の単独行動”

 沖縄県・尖閣諸島周辺で中国海軍艦船が海上自衛隊の護衛艦にレーダーを照射した問題で、
 中国外務省は6日、軍の単独行動だったことを示唆した。
 華春瑩副報道局長が定例記者会見で「関連の報道で知った。
 (外務省としては)具体的な状況は把握していない」と述べた。

 共同電によると、習近平指導部が軍の行動を詳細に把握していたかどうかは不明だが、中国政府内で情報の共有が図られていなかった可能性が強い。

 これに対し、日本政府は中国側に詳細な事情説明を求める方針を固めた。
 政府筋によると、外務省局長レベルで、照射に踏み切った意図、事態への受け止めなどをただしていく。
 再発防止を図るのが狙いだ。
 安倍晋三首相は午前の参院本会議で
 「不測の事態を招きかねない危険な行為だ。
 一方的な挑発であり、極めて遺憾だ」
と中国を批判した。

 一方、米国務省のヌランド報道官は5日(日本時間6日)の記者会見で
 「見込み違い事故が起こる可能性をはらんでいる」
と指摘。
 東アジア地域の緊張を高めるとして「懸念」を表明した。


 いまだ、中国政府の見解は出ていないようである。
 このように時間がかかるということは、胡錦濤から習近平への政権移譲が行われている最中にあたり、どこの権力があるのか定かでないことも影響しているのだろう。
 今政権の責務とするのかそれとも次政権のものとするのか、力の押し合いが続いているのかもしれない。
 それに解放軍がからんで、なかなか統一見解が出せないのだろう。
 しかし、習近平も就任を前にいやな問題を抱えてしまったものだ。


レコードチャイナ 配信日時:2013年2月7日 13時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69222&type=0

中国海軍レーダー照射「知らなかった」、
外交部の対応に「なんという態度!」―中国版ツイッター

 2013年2月6日、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦とヘリコプターに射撃管制用のレーダーを照射していたことに対し、安倍晋三首相が強い遺憾の意を表明した。
 米国務省からも中国側に自制を求める声が出ている中、中国外交部の反応は
 「知らなかった」
 「関係部署に聞いてほしい」
と、明確な対応を避けている状態だ。

 5日、堀之内秀久駐中国公使からの申し入れと抗議を受けた中国外交部の羅照輝(ルオ・ジャオフイ)アジア局長は、
 「事実関係を確認する」
としていた。
 しかし、翌6日に外交部が行った定例記者会見の席で、華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は
 「報道を見てから情報を知った」
と繰り返すばかり。
 外交問題に発展しかねない軍部の挑発行動を把握していなかったことは「失態では?」と問われるも、
 「そう認識していただいて構わない」
と反応は弱い。
 なお、6日夜の時点では、中国国防部や軍部からの声明は出ていない。

 こうしたことから、中国の尖閣諸島をめぐる対日姿勢において、軍と政府のコンセンサスがとれていない可能性が指摘されている。
 また、公式の対応が遅れているのは、中国政府が日米の反応を観察しているためとの見方もある。

 そんな中、こうした自国外交筋の対応に対して、“中国版ツイッター”と呼ばれる簡易投稿サイトでは、不満の声が続出している。
 以下、具体的に寄せられた声。

●.「何という態度…」
●.「国防部と外交部は深刻な意思疎通の問題があるようだ。
 外交部は何も言えず、国防部は何も言わず」
●.「我々の政府は何でこんなに笑わせてくれるんだ…やったならやったと認めればいいじゃないか…それを『知らない』なんて…おもしろすぎるだろ」
●.「『関係部署に聞いてほしい』とはね。嘆かわしい!
 国防の軟弱さ、ふがいなさはこれほどまでに哀れで恥ずべきものだったのか!」
●.「報道官のきまり悪そうなあの表情。
 明らかに詳細も知らず、受け身な態度だ。
 これでは軍部が暴走して、いつか戦争になるぞ!
 深く憂慮する!」
●.「今回のレーダー照射事件、確かに軍事衝突になだれこむ危険をはらんだ行動だったな。
 ただし、完全なる領土を防衛するという観点では、敵対勢力の侵犯に対して行うべき当然の行動であったように思う。
 外交部はこれに水を差してはならない」


 外交部は「事実関係を確認」としようとしても、政府も軍部も教えてくれない状態であったということだろう。
 つまり、中国には外交がない、ということになる。
 政府、軍、外交がバラバラ。

 これで、世界第二の大国としてやっていけるのであろうか。
 あるとしたら、軍部をバックにした「恫喝外交」のみ。

 民主主義国家のようなスマート外交はない、ということになる。
 



【中国海軍射撃用レーダー照射】



_